松村かえるの「かえるのねどこ」

旧「美風庵だより」です。

2023年12月10日の日録

9日、講義をうける。

演奏会終了後、過去に仕事をさせていただいたかたと会い、私が離れていた6年のあいだになにがあったか、さわりを講義してもらいました。

このかた、いまは東京都内で別の地公体さんの現場に関わっておられます。

まず前提として、東京と地方は下々に情報が下りてくるスピードに大差があります。地方に居ると空気がわからずあとで振り回されることも多々ありました。いくらテレビ会議が浸透しても、こういうツール越しでは裏話や噂話はなかなか共有できません。

公共事業は横槍が多く、着地点すらブレていくことは多々あります。食指を動かしている魑魅魍魎どもの動きも可能なかぎり考慮して、弾道計算をしなければ、着地しません。

ゴルゴ13は、風で弾が流されるのを計算しながら撃ち、目的をみごとに射殺します。軍艦の砲手も、着弾させたい場所にむけて弾道計算をしてから、発射します。

俗に「中央にパイプがある」とされるひとは、「表向きはともかく裏(本音)の目指す姿についていちはやく情報をとってくる」ため、重宝されます。日本は厳密には近代国家ではないため、表向きだけを鵜呑みにすると、死にます。悪い意味で昭和で止まったままなのが、いまの日本の姿です。

日本政治の特徴なのか、自民党政治の特徴なのか、私くらいの下々だと判然としませんが、上はち密な計算をしたと豪語しているわりに、意外と実態はfreefallだったりします。下々や中間層が、実際の着弾点設定と弾道計算を担うわけです。

公務員の場合、どうしても法令上清廉潔白であることがなによりも求められます。これ、一見すると問題ないように見えますが、大枠をどう具体化するかは、中間や下々にゆだねることを意味します。自らどっぷり指揮采配して深く首を突っ込めば、必ず手を汚す局面を避けてとおることはできなくなるからです。そのため、むかしはきれいごとだけでは片付かない汚れ仕事を処理するひとがきちんと居たものでした。このひとたちは組織に感謝され守られ、死ぬまで安定したメシは確保してもらえたものです。

しかし、すっかり時代は変わります。他人のために働いても見返りはなく、警察が動けばかばうことなくすぐクビにして放り出すのは当たり前。そんなご時世に敢えて汚れ仕事を引き受けるひとはいません。昭和、平成とそういう姿がどんどん消え去り、令和のいま、絶滅種です。

昨今、なにをやっても綻びがでるのは、帳尻をあわせるため汗をかくひとが居なくなったことによるものです。

さすがにもうこの状況は改善しないでしょう。マイナンバー制度や大阪万博をみればわかるとおり、すでに政官すべてにまん延しています。そういう時代になったと諦めて、とにかく自衛をはかるよりほかありません。

 

9日残りの記録。

羽田空港21時発の北九州空港行で、福岡に戻ります。

さすがに夜の便ということもあって、機内は暗めです。ところどころからいびきがします。

外もろくに見えません。海沿い・川沿いに町がひらけていることがかろうじて理解できるくらいです。

北九州空港に到着し、トイレを借りてから外に出ました。小倉駅行のバスを待ちます。

朝食をいただいた松屋で、今度は深夜にカツカレーをいただきました。

松屋を出て、昨日個室を借りたネカフェに向かいます。今度は普通席が空いていたのでそれを借り、朝まで寝ました。他人のいびきを聞いていると、夢も希望もおカネにも見棄てられた我が身の悲惨さが……などと考える余裕もなくよく眠ります(笑)

 

10日午前中の記録。

5時過ぎにネカフェで起床しました。

パソコンはずっとつけっぱなしでした。よくみると、広告枠の半分以上が、家がないひと向けのものです。たしかにこんな時間におカネをケチってここで寝てるのは、そういう種類のひとですよね……。

JR小倉駅に着きました。

モノレールや新幹線、バス乗り場、松山行きフェリー乗り場と直結している3階改札口とコンコースはいつもお客さんが居ます。しかし、1階改札口とコンコースは、いつもがらがらです。若いひとのなかには、この改札口の存在に気づいていないひとすら居ます。

5時41分発の博多行各駅停車に乗車します。途中の自販機で買い求めた水で、毎朝服用している痛風の薬とサプリメントをいただきました。

途中、あとから来た特急(いわゆる通勤特急とかホームライナーと呼ばれるもの)に追い越されます。

特急は17分あとに出発して、15分はやく到着します。

30分余計にかけてなんとか追いつく各駅停車の姿は、世間に置いてけぼりをくらう私の人生のようです。まだこの電車のほうが、客をはこぶという意味で社会に貢献できてますけどね……。電車のほうが価値がある人生って……。

画像が白いのはiPhoneが壊れたのではなく、各駅停車のガラスが汚いので、汚れに明かりが反射していることによるものです。

博多駅到着後、こんどはバスターミナルに移動し、甘木営業所行の路線バスに乗り換えました。

甘木に帰着したら、まず着ていった服とカバンに詰めて持ち帰った汚れものを洗濯しました。ついでに、8日から着用しっぱなしだったポリエステルの背広も洗剤と酸素系漂白剤で洗います。

背広を、廊下に吊るして陰干しします。ポリエステルなので、外が晴れていれば1日もあれば乾きます。便利です。

穴守稲荷さんで小袋2つぶん、御神砂をいただきました。

神棚の横に、伽羅や羅国の香木や、記念硬貨を箱に詰めて保管しています。このなかの1つには、穴守稲荷さんの御神砂をいれています。玄関やベランダを掃除したあとや、鉢植えを手入れしたときにまいたり、神棚のお榊の水に数粒くわえたり、年賀状や御仏前を書くときに墨をする水にくわえたり、お祓い・お清めの砂として使っています。

玄関先にも、ふるくなった白皿にのせて、盛り塩代わりに置いています。これまでのものはすべて鉢植えの土に混ぜ、9日にいただいた砂であらたに盛り直しました。

カバンを整理し、洗濯し、神棚に新しい穴守稲荷さんの御神札をまつり終え、風呂に入ってから、とりあえず演奏会の感想をまとめます

 

10日夜の記録。

いちど用件で外に出て、帰りに駅前のイオン系列のお店でぼたもちを買いました。

ぼたもちだけでは新しい御神札をお迎えしたお供えには足らないので、穴守稲荷さんからいただいた江戸切子のコップに、菊正宗を注いでお供えします。

商品の説明
ベトナム産の沈香を基調に、大茴香、丁字、龍脳等の香料を用い、かつ白檀特有の香りを調合して貴品と深みのある香りに仕上げました。

*鳳城香(極品) 30g 紙箱入 - 山田松香木店オンラインショップ

香りも上等なものをお供えしようと、これまた久しぶりに山田松さんの焼香を焚きました。甘いものと酒と香を供えれば、おそらく大丈夫でしょう……たぶん。