松村かえるの「かえるのねどこ」

旧「美風庵だより」です。

2023年12月8日の日録

8日の記録。

いつも昼飯を食ったあと居眠りしている倉庫は大勢の従業員さんで整理の真っ最中でした。整理している横でご飯を食うことは可能ですが、ホコリが舞っているなかでは気分がよくありません。車に引きこもり、窓をあけて空を眺めながらいただきます。12月のはずなのに窓全開でちょうどよい感じです。季節感が完全にくるっています。

焼とり家 庵 - 博多/焼き鳥 | 食べログ

8日は忘年会でした。19時開始という話だったので急ぎましたがまだ誰も来ていません。屋外の喫煙コーナーで椅子に座って、集合予定だったメンバーが来るのを待ちます。

忘年会がお開きになり、JR博多駅に移動しました。新幹線で小倉に移動します。

12月9日は、秋山さんの第九を聴きに上京します。

9月に12月9日の往復の航空券と入場券を購入しました。このとき、福岡空港と北九州空港それぞれの料金を見比べ、値引きが大きかった北九州空港発着便を購入します(しかも北九州空港は駐車場1日600円です。福岡空港は駐車場1泊2,000円超えてます)。11月になり、忘年会の日程調整がLINEで行われ「9日の早朝北九州空港まで行くから8日はキツイ」旨返答しましたが、私以外全員、年末年始以外ここしか空きがなく(笑)、結果として私が折れることになりました

11月の時点でいちおう福岡空港発着便も調べましたが、全日空も日航もほかの会社も、高いです。なんとか社会の片隅で生かしていただいているいまの落ちぶれた状況では、とても差額を払う気になれません。世のなか、ホント上手くいきませんね……。

新幹線を小倉駅で下車しました。

おそらくビジホをとろうと思えば取れたのでしょうが、ギリギリの時間になって寝るだけならたまに利用するネカフェでいいだろうと、JR小倉駅近くのネカフェを予約しておきました。

寝られるフラット床は個室しか空いていません。そこまで要るかな?とおもいつつ部屋に入ってみると、暑くてかないません。店としてはサービスのつもりなのでしょうが、上着もカッターシャツもぜんぶ脱いでシャツ&パンツだけでちょうどいい感じです。

とりあえずシャワーを借りに行き、いちど店を出てコンビニで飲み物を調達してから、寝ました。

 

忘年会でおもうこと。

8日、平日常勤している事業所を退勤後、毎年2回集まっている酒飲み(12月or1月と5月GWごろに1回ずつ)に参加しました。

まだ地方公務員をやっていたころ、県下の地公体さんが参加する電算システムの共同運営組織があり、そこで部会長とか座長とかをやらされていた時期があります。そのときに仕様の決定とかで関わっていただいた公務員さんや事業者さんのメンバーが相手です。

自治体がもつ個人情報などを管理する「政府クラウド」を海外企業に委ねることに不安はないか。読売新聞が都道府県など121自治体に取材したところ、4分の1に当たる31自治体が「不安がある」「多少の不安がある」と答えた。日本から撤退した場合の情報の取り扱いや為替変動による利用料の高騰などが理由で、専門家は「国産クラウドの育成が急務」と指摘する。

「政府クラウド」外資管理に「不安」4分の1、国産の育成に期待…121自治体調査 : 読売新聞

いま問題の政府クラウドの話は、私が在籍したころにはすでに話が出ていました。当時まだデジ庁なんてものはなく総務省の公表資料でしたが、どう読めばいいのか悩んだものです。当時飛び交った噂を信じるなら、宗主国様のご指示でGAFAMに売り上げを献上する前提(だから国内事業者の手が出ない要求仕様になっている)だし、その前段だったセキュリティクラウド構想も、自民党から県知事だか参議院議員をめざしていた高級官僚さんの「献策」だとか……。

まぁ、カネが動くところは魑魅魍魎だらけなのはむかしからそういうものです。これをボヤいてもはじまりません。

現役のみなさんもすでに管理職やそれに準ずる地位にあり、なかには親会社の役員になったかたもおられます。彼らの話を聞いていると、上手くいってはいないようです。電算システム関連は、ネットワーク構築にしてもシステム運用にしても、為替の影響をもろにうけます。民主党政権下の超円高のころは、予算の増額要求しなくても機器調達やソフト調達が出来てお釣りすらでましたが、ここ最近の円安進行でもろもろの値段も手数料もあがり、すっかり干上がっています。想定していた為替レートから大幅に乖離しているのですから、当然と言えば当然なのですが……。私が地方公務員を辞める直前くらいに宗主国様の命令で宗主国様以外のメーカー製品の使用が制限されましたから、安い製品に逃げることも出来ず、道をふさがれ年々状況は悪化しています(しかも地公体の足元みて国産が値上げするんだなこれが)。

このままだと全国的な足並みがそろわず、脱落者が出るかもしれません。

戦いはじめた以上は戦争完遂までとことんフォロー、赤字国債だろうとなんだろうと気合いでぶち込む度胸をみせないから、岸◎文雄が嫌われるのですよね……。ヤバい橋を渡る覚悟ができない政治家(とその取り巻き)ほど、使い物にならんものはありません。アベベやA生のほうがはるかにマシです。

国内事業者(とくに大手ITゼネコン)は過去の1円入札であきらかになったとおり、モノを買ってもらう金額を極端に下げて、その代わり自社系列の運用保守事業者が必ず噛むように仕組みます。

これはITゼネコンに丸投げしたいお客さんにとっては神となります。彼らで裏まで調整して、公務員があちこち手を突っ込んで自分の手を汚さなくても勝手にうごいていきますから、ゼニだけ差し出しておけば、本人の首も安泰です。しかも過剰にチヤホヤしてもらえます。上客ですからね……。

しかし、多少でも自我に目覚めた客には手のひらを返します。政治家経由で圧をかけるわ、引きずりおろしに警察に中傷タレこみいれるわ、邪魔者だと認識すれば本気で排除にかかるので、始末におえませんでした。役所は妙な噂が立つだけでも嫌いますから、風聞で体よく異動になった人間、何人いることか……。

悪い意味で昭和丸出しだった彼らのやり方を、私はいまも嫌悪しています。

もっとひどい業界はほかにあるのでしょうが、正々堂々とは縁とおい世界でした。

こういう頂上に近づけば近づくほどいやらしい世界には、地公体も察して温存したいエース級職員は投入しなくなります。うっかり担当することになった職員も、いかに事なかれで次の職場にさっさと異動するか、うまく事業者やコンサルに丸投げして暗闘に関わらないようにするかしか考えません。

円安でカネが足らないならどうすりゃいいんだ?

宗主国とGAFAMにこうなりゃとことんひれ伏すか?(裏では「密林に市区町村集団土下座して値引きを引き出せ」なんて冗談も飛んでいるそうで……)

といった思考すらしなくなります。

皆さんと話していて悪い意味であいかわらず昭和、という気もするし、マイナンバー問題や大阪万博同様、誰も決断もせず責任も取らず、グダグダで税金だけが消えていくことになるのでしょう。

税金にたかっている国内企業もまた従業員として日本国民にも給料を払い、他の国内企業を下請け孫請けに使っているわけですから、100%の悪というわけではないのでしょうけどね……。

こういう事情を知ってか知らずか、むかしから国産というだけで下駄をはかせろ、大事にしろ、という風潮があるのは不思議でした。

支持率の下落が止まらない岸田政権は、岸田文雄・首相をはじめ閣僚の約半数が世襲だ。議員の世襲の大きな問題のひとつが“政治資金の相続・贈与”だ。
岸信夫・元防衛相の議員辞職に伴う補欠選挙(山口2区)で当選した長男の信千世氏は、父から政党支部(自民党山口県第二選挙区支部)の代表も、資金管理団体「誠信会」の代表も受け継ぎ、2団体合わせて900万円ほどある昨年の残金も引き継いでいる。
政治資金は非課税扱いで、政治団体の代表者が議員から親族に交代しても、相続税や贈与税はかからない。このため政界では、実態は子供への相続や贈与でも、課税を免れているケースが少なくないと指摘されてきた。
信千世氏は“無税贈与”を受けたことになる。この問題について岸事務所は、「個人資産と政治団体の資産は区別されており、政治団体代表者の変更をもって『相続』と同様に考えるのは誤りと考える」と回答した。
次の総選挙では、「カネと議席」を守るために世襲議員の“再生産”が続いていく。世代交代が有力視されている大物議員が麻生太郎・副総裁(83)と二階俊博・元幹事長(84)だ。 

大物議員の“世襲再生産”が止まらない 岸信夫長男、麻生太郎長男、二階俊博長男・三男、岸田文雄長男…準備は着々|NEWSポストセブン

いまにしてみれば、口先ではみんな「改革」とか「若さ」とかを支持するふりをしていますが、本音はちがいます。「いまメシを食わせてくれている殿様の安定した権力継承こそ重要。世襲大歓迎。権力継承で揉めたくない。うっかり負け組を担いだら最後。変革だのなんだのは二の次」というひとが多数(少なくとも自民党が与党を維持できる程度には多数)で、それが日本人のアイデンティティなんだと考えれば納得がいきます。

この江戸時代のお殿様的な思考に大多数が共感できるから、御家断絶とその後始末という忠臣蔵の物語は身近なものであり延々と語り継がれ、そして、序列をみだし縄張りを荒らす黒船(外資)を嫌うわけです。

博多駅で新幹線の発車を待ち、小倉に着いて改札を出るまでの間、ろくでもない世界(「悪い意味で昭和」とさっきから書いているもの)が、じつは日本の本性だったという、どうも後味のわるい結論に考え至り、2割ほど酔いがさめました。