松村かえるの「かえるのねどこ」

旧「美風庵だより」です。

福岡市西区福重1丁目 若八幡宮


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県道560号側からだと、福重二丁目バス停の向かい、ガソリンスタンドの横に伸びた道のさきに若八幡宮があります。軽自動車ならなんとか進入し、切り返して戻ってこられるくらいの道なので、近隣店舗に停めさせてもらうのが無難です(とうぜんなにか買ってお礼はしましょう)。

縦長の拝殿に、本殿は立派な覆屋が掛けられています。覆屋は風害対策のための後付けではなく、どうやら建てられたときからのもののようです。最初から本殿を小さめにして、拝殿と凸凹にならないよう考慮されています。

拝殿のかたちは異なりますが、県南の高良玉垂宮(高良神社)でよくみかける形式です。

覆屋を裏側からのぞくと、社殿の外壁として一体となっていることがわかります。

若八幡宮

一、御祭神 仁徳天皇
一、明治五年十一月三日 村社
一、例祭 七月十九日・十月十九日
一、御神徳 仁慈開運家門繁栄
一、由緒
文化十年発酉
従四位下備前守源朝臣成斎公
天下太平を祝い武運長久を祈られた所 

よい子の皆さん

このお宮は大そうおなさけ深く氏子皆さんをおまもりしています。仁徳天皇(神様)をおまつりしてございます。
拝殿の中であそんだり悪いことはしないようにしましょう。

地鎮祭・厄除・七五三その他お祭り申込みは
姪浜本務住吉神社え
電話881-0328

1813年(文化10年)の備前守成斉公とは誰のことかとかんがえてみると、おそらくは10代藩主黒田斉清公のことではないかとかんがえられます(ただ、備前守は一致しても名前が違うのが……)。

福岡県神社誌では、境内に宇賀神社と埴安神社があることになっています。

しかし、現地を訪問しても、それらしき境内社はみあたりません。

社殿正面向かって右側にあるのがこの鷲尾神社です。

鷲尾愛宕神社 - Wikipedia

神社の創始は景行天皇2年(西暦72年)、鷲尾山に伊耶那岐尊・天忍穂耳尊を祀ったのが鷲尾神社(鷲尾権現)の始まりとされる。鷲尾権現は英彦山権現と同神で、里人の説に曰く「初め英彦山権現自体も鷲尾山に祀られ、後に英彦山に移られた」ともいうが確たることは不詳である。

同じ西区の愛宕山にある鷲尾愛宕神社同様、鷲尾権現(=彦山権現)を祀っているものでしょう。

社殿正面向かって左側に、阿弥陀如来のお堂があります。

福重若八幡宮[神仏習合][福岡県福岡市西区]-お寺めぐりの友

上記のホームページによれば、この阿弥陀堂は江戸時代からあったとのこと。

けっきょく、福岡県神社誌に記載の境内社とじっさいに境内にあるお宮2社のちがいは不明ですが、もしかすると本殿に合祀されているのかもしれません。または、鷲尾権現と阿弥陀堂をカモフラージュするための届け出だったこともかんがえられます。 

福岡県神社誌:中巻130頁
[社名(御祭神)]若八幡宮(仁徳天皇)
[社格]村社
[住所]早良郡壱岐村大字福重字小町
[由緒]不詳、明治五年十一月三日村社に被定。
[境内社(御祭神)]宇賀神社、埴安神社
[摂社(御祭神)]記載なし。
[末社(御祭神)]記載なし。
(2022.11.17訪問)
 
訪問当日の様子はこちらに掲載しています。

2022年11月17日の日録 - 美風庵だより