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菅公を祀る老松神社です。
自転車どころか歩いて数分の距離にある神社なのに、さきほどの愛宕神社の案内板とだいぶ書きぶりが異なります。下見地区から岡田地区に入植した住民ではなく、どうやらここは先住民の祭祀していた神社のようなのです。
現地の案内板では、最初から老松大明神を祀るお宮だったのでしょう。おそらく明治以降、御祭神を菅公としたのだと思われます。
三井郡大刀洗町山隈 老松神社(山隈老松宮) - 美風庵だより
老松神社という名称からみれば、菅公の関係者を祀る神社なのが常です。
また、他の祭祀を菅公への祭祀で上書きする際に、(格差をつけられ)老松神社とされたケースも、すでに訪問しました。
となれば、この老松神社も元はほかの祭神を祀っていたか、他の天満宮に属する存在であったかのどちらかです。案内板にはありませんが、おそらくは下見地区の天満宮が元宮として機能していたのでしょう。
安楽寺が領地に出先を展開する際「天満宮」と「老松宮」をどう使い分けたか、あちこち訪問していればなんとなくでも見えてくるのではないかと考えていました。しかし、どうもまだ確実な線が見えてきません。
赤貧は福岡県神社誌を元にデータベースを作成して、それを元に各地の神社を訪問しています。4,754社のうち、菅原社・菅原神社が64、天満宮・天満神社が768、老松宮・老松神社が64と、県内にある全神社のうち約2割弱の御祭神が菅公とその関係者です。国祖でも皇祖でもなく、なぜか菅公がダントツです。たんに安楽寺(現 太宰府天満宮)と北野天満宮のおひざ元だからというわけでもなさそうですし、この怪奇現象はどう説明できるのか……。
考えるほど謎は深まります。
周辺は大規模な住宅街が形成されています。人口減少と少子化がすすむ甘木ではありえないくらい、帰宅途中の子供が歩いています。うらやましいと思いつつ、この場をあとにしました。
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[福岡県神社誌(抄)]中巻62頁
[社名(御祭神)]老松神社(菅原神)
[社格]村社
[住所]筑紫郡筑紫村大字岡田字藪之内
[境内社(御祭神)]老松神社(菅原神)※誤植か?
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(2020.01.21訪問)