松村かえるの「かえるのねどこ」

旧「美風庵だより」です。

久留米市西町 日吉神社


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県道沿いに立派な鳥居があります。

元々は幟旗を立てるときの土台なのでしょうが、根元が鉄板とコンクリートで補強されています。やり直した痕跡もあり、何回か物損事故があったのでしょう。

正面に神社がみえてきました。

旧村社 産土神
日吉神社由緒

一、御祭神 大山咋命菅原道真卿
二、由緒 大山咋命は古くより今の篠山城内に祭られてありましたが元和七年有馬家初代藩主豊氏入国の折供奉してきた鞍師がこの西町の広野を与えられ村落を開きその後城内より御分霊を戴き村の産土神として奉祀したものです
又菅原道真卿神霊は御井町と西町にあった天満宮を大正年間に合祀したものです
境内社 鞍護神社 鞍打開発の始祖を祭る

有馬豊氏公に従って(おそらく)京都福知山からやってきた鞍師(馬の鞍を製作する職人)に与えられた土地に、氏神として勧請された神社だということがわかります。

気になるのは案内板の後段で、御井町の天満宮を合祀したとあります。

福岡県神社誌を確認すると、御井町出目の天満宮とあります。

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久留米市御井町 袴着天満宮・出目天満宮 - 美風庵だより

以前、高良山・高良大社登山のおり、麓のあまり手入れがされていないお宮さんをほうもんしましたが、なんと、ここに合祀されていたとは……。

しかし、この荒れたお宮は昭和40年代に高速道路建設のさいに移転してきたもののはずで、大正時代に、しかも御井町と関係がなさそうな西町の神社にすでに合祀とは?

鳥居や社殿をぐるりと見まわしていると……。

拝殿屋根の御神紋は、輪宝紋にみえます。日吉大社とか日枝神社とか神仏分離で社号が変わっていますが、きほんは延暦寺の鎮守である山王権現であることをかんがえれば、ここもまた、神仏習合のなごりをとどめているといえそうです。

流造の本殿といい、幣殿(渡り)、拝殿もこまめに修繕がはいっているのか、じつにきれいです。

境内社は1か所にまとめられており、画像左手が、鞍護神社です。

現地案内板によれば、この神社が鎮座する鞍打集落の始祖を祀るとあり、有馬豊氏公に従って久留米にやってきた鞍師を祀る神社であることがわかります。

ところが、中央の石仏やお堂、画像右手のお宮については、説明がありません。

かろうじて、弁天さまや仏像があることはわかるのですが……地域内から移転してきたものでしょうか?

福岡県神社誌:中巻152頁
[社名(御祭神)]日吉神社(大山咋命、菅原神)
[社格]村社
[住所]久留米市西町字鞍打
[由緒](略)
[境内社(御祭神)]鞍護神社
[摂社(御祭神)]記載なし。
[末社(御祭神)]記載なし。
(2022.10.31訪問)