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googleマップでは「天満宮」となっているため、昨年訪問した際に完全に誤読してしまいました。まず、その点を謝罪させていただきます。
地元のかたによれば、イチキという小字はこの一帯のことを指すとのこと。福岡県神社誌でいう「貴布禰社」とは、この神社のことなのだと、やっとわかりました。
判った以上は、訪問しなければいけません。この日は9時から仕事でしたので、クルマでぱぱっと訪問しました。
鳥居の横に「三界万霊」と書かれた石碑があります。てっきり上の納骨堂にからんで存在しているのかと思ったのですが、どうもそうではなく、神仏混合の名残のようなのです。となれば、ここは英彦山修験道にからんだ祭祀で間違いありません。
笏を持った石像は、もともとは菅公として扱われていなかったということになります。福岡県神社誌では高霊神となっており、文字通りなら高木大神(高皇産霊神)を指しています。現在の貴船神社では、高淤加美神(たかおかみのかみ:高龗神)を祀るとされていますので、意図的に英彦山修験道の拠点とわかるよう届け出たのか、たんに1文字を誤ったのか、気になるところです。
おそらく、英彦山周辺地域に残る貴船信仰と根は同一と考えられます。雨乞い・水難の神様として、英彦山の山伏たちが伝え、各地に勧請された1社なのでしょう。やがて貴船信仰と英彦山信仰が混じり(そもそもこの丘には、お地蔵さんの御堂や、撤去されたとおぼしき祠の跡が複数存在しています)戦前の福岡県神社誌編集時点では、以下のような記述になったのだと思われます。
さらに「天神」からの連想で、googleマップに「天満宮」として記載されてしまったのでしょう。
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福岡県神社誌:下巻412頁
[社名(御祭神)]貴布禰社(高霊神)
[社格]無格社
[住所]朝倉郡三奈木村大字荷原字イチキ
[境内社(御祭神)]記載なし。
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(2020.05.24訪問)