松村かえるの「かえるのねどこ」

旧「美風庵だより」です。

2024年4月5日(金)の日録。

話が飛躍しすぎでしょう。

内紛は、2015年に神社本庁が職員の宿舎を売却したことにはじまる。その売却にかんして、神社本庁の上層部と業者が癒着していることを内部告発した幹部職員がいた。神社本庁はそうした職員に解雇などの処分を下した。
処分された職員は裁判に訴え、この裁判では神社本庁側が敗れた。となれば、神社本庁の上層部は責任をとらなければならないはずなのだが、田中恆清総長は、その上に立つ鷹司尚武統理の勧告にもかかわらず辞職しなかった。そこで鷹司統理は新たな総長を指名したのだが、田中総長はそれに従わず、これも裁判になった。裁判では、まだ地裁段階だが、田中総長の側が勝訴している。
神社本庁傘下には、田中総長の退任を求める人間たちが現れ、2022年には「花菖蒲ノ會」という組織を立ち上げた。同会によれば、これに賛同する神主や総代の数は2000人近くに達しているという。神社本庁傘下の神社の神主の総数は2万1000人をわずかに超える程度なので、およそ10分の1が現在の神社本庁の体制に異議を申し立てたことになる。
実は花菖蒲ノ會の10名の「呼びかけ世話人」のなかに鶴岡八幡宮の宮司も含まれていた。ということは、鶴岡八幡宮が神社本庁を離脱するのは、内紛が原因であることになる。花菖蒲ノ會は、神社本庁内部で改革をめざすものだが、鶴岡八幡宮はそれをあきらめたということかもしれない。
呼びかけ世話人には、熱田神宮、東京大神宮、北海道神宮、多賀大社、出雲大社といった著名な神社の関係者が名を列ねている。こうした神社は今後どうするのか。それが注目されるが、花菖蒲ノ會に賛同した神社が今後、次々と神社本庁から離脱することも考えられる。
神社本庁は重大な岐路に立たされている。

鶴岡八幡宮の神社本庁離脱で懸念され始めた伊勢神宮「式年遷宮」の危機(島田 裕巳) | 現代ビジネス | 講談社(1/6)

島田さんは情報を整理して知識を得るぶんにはすばらしい本を書くのですが、どの立場なのかわかりにくい主張をするひとでもあるため、注意が必要です。

基本的に単立法人となってやっていけるのはそれなりに力とカネがあるところで、そんな好条件がそろっているところはほとんどありません。

そして、神宮大麻の頒布を支えるのは、でかい有名別表より、国家神道(神社本庁教)が主張するところの、彼らが氏子区域を決定したその地域の「氏神さま」です。

神宮大麻頒布数・神宮大麻初穂料改定 一覧 | まったりどうでしょう

もう何年も前から頒布数は下り坂でした。回復の見込みはありません。

国家神道(神社本庁教)の内紛があろうとなかろうと、神宮の御札ビジネスはずっと斜陽です。「このまま離脱がつづけば神宮の式年遷宮に影響するぞ!」というのはだいぶ誇張がはいっているのはすぐわかります。

果たして次の式年遷宮はつつがなく行われるのだろうか。その保証はどこにもない。鶴岡八幡宮の神社本庁からの離脱が、式年遷宮をより困難なものにするかもしれないのである。

式年遷宮に影響するからどうしたというのでしょうか?

鶴岡八幡宮につづく離脱者を出さないよう徹底的に国家神道(神社本庁教)内で統制をつよめるべきというのでしょうか?宇佐神宮乗っ取り事件をみればわかるとおり、各社離脱前のいまなら反抗的な有力別表の宮司を解任することもできます。

逆に、この内紛の原因である連中が責任取って辞めて、式年遷宮の邪魔だから有力別表を離反させるなと言っているともとれます。

鶴岡八幡宮1社が飛び出したところで式年遷宮に与える影響はほぼないでしょうし、そもそも国家神道(神社本庁教)の被包括関係にない単立神社でも神宮大麻の頒布をやっているところがあります。べつに神宮大麻の頒布を縮小したからといって、それがどうだということにはならない気がするのですが。

この先生が書くほど、敵か味方かがきっちりすっきり分かれている世界ではありません。

まぁ、どちらかについてしまうともう片方が取材しにくくなるというのはあるでしょうけどね……。

神社本庁に内容証明郵便で離脱の旨を送付したのは今月5日のことだった。翌6日と7日、当代の吉田茂穂宮司(81)が境内の直会殿に職員を集め、このたびの経緯について話をしたというのだが……。
「吉田は神社本庁から難癖をつけられたと主張していたようです。しかし、その具体例がなく、話しぶりはまるで被害妄想にとらわれていたようだったと。離脱の理由についても具体的な説明がなく、職員たちは皆、唖然としたそうです」(鶴岡八幡宮の関係者) 

「宮司が独裁で神職、巫女が大量退職」 神社本庁離脱の「鶴岡八幡宮」で何が起きているのか(全文) | デイリー新潮

そして、お決まりのようにネガキャンも行われています。

グチャグチャですね……(笑)