松村かえるの「かえるのねどこ」

旧「美風庵だより」です。

北九州市小倉南区吉田 建速神社


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敷地に着くと、ひろい駐車場が出迎えてくれます。路線バス+徒歩による参拝経路がわかりにくいので、訪問当日の日録をご確認ください。

駐車場から東側に向かって海をのぞむことが出来、眼下には、セメント工場跡のメガソーラーや北九州空港島がみえます。初日の出を見にくるかたとか、多そうです。

福岡県神社誌では「建速神社」のはずなのに、現地にある鳥居の扁額は「金毘羅宮」です。

伊東尾四郎 編『企救郡誌』,伊東尾四郎,昭和6. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/1171034 (参照 2023-01-13)

戦前発行の企救郡誌でも、やはりここはスサノオさん、金山彦、猿田彦こと饒速日(にぎはやひ)つまり山幸彦を祀るお宮のはずです。これはいったい……。

セメントが乾くまえに鳥が歩いたようで、しっかりと足形がのこっています。手水鉢は、ハート形です。

山中から集められたものなのか、大きな石があちこちに転がっています。

拝殿のうしろに渡りはなく、本殿の前に立って直接拝むことができます。

たてはやじんじゃ
建速神社
由緒創建は不詳。金山毘古命・狭田毘古命の二柱を祀るが、文政年中(1818~1830)に須佐之男命を勧請し、三柱となる。近年は、眼下に海を一望出来るため、初日の出を拝む参拝者が多い。

御祭神

金山毘古命・・・鉱山の神、金運上昇
猿田毘古命・・導きの神、交通安全
須佐之男命・・・災除の神、開運厄除

おわかりになりますでしょうか。日ごろこの日記では「スサノオさん」と書いていますが、ほんらい古事記では「建速須佐之男命(たけはやすさのおのみこと)」と表記されています。建速神社というからには、スサノオさんを祀る神社のはずなのに、もともとは金山彦と猿田彦を祀っていましたということは、スサノオさんを祀りはじめる前の名前があったということです。

それがもしかすると、金毘羅宮なのかもしれません。

もしくはこの社殿正面向かって左側にある石祠のいずれかが、こんぴらさんでしょうか?

石祠の横から、社殿裏手に出ることができます。ここも地元のかたが展望台として整備しておられます。

社殿から南側、つまり吉田地区と海を眺めるのもまた格別です。

けっして大きな神社ではありませんし、路線バスも小倉から1時間に1本ですが、この雰囲気を味わいに来る価値のある場所といえます。

福岡県神社誌:下巻451頁
[社名(御祭神)]建速神社(猿田彦命、金山彦命、須佐乃男命)
[社格]無格社
[住所]企救郡曽根町大字吉田字吉田
[由緒]記載なし。
[境内社(御祭神)]記載なし。
(2023.01.12訪問)
 
訪問当日の様子はこちらに掲載しています。

2023年1月12日の日録 - 美風庵だより