けっきょくは誰が負担するかのお話なのです。
「財務省は消費税19%をもくろんでいる」と明かすのは、元国税調査官で、『消費税という巨大権益』(ビジネス社)などの著書もあるフリーライターの大村大次郎さんだ。
「国際機関のOECD(経済協力開発機構)は2018年に、〈日本の消費税率は将来的にOECD加盟国平均の19%まで引き上げる必要がある〉と提言し、これを新聞が報じました。本来、OECDは日本の消費税に関心はありませんから、財務省が働きかけて提言させたのは明白です。日本はOECDに多額の拠出金を出しているので、財務省はOECDに影響力を持っているのです」(大村さん)
政治献金の判断基準となる「政策評価」で、経団連は自民・公明党両党による与党の政策を10年連続で「高く評価できる」とした上で、会員企業・団体に自民党への献金を呼びかけた。一方で、少子化対策の財源については「自民党の課題」として「こども・子育て政策において、広く国民全体が負担する財源のあり方の検討」と記載。事実上の“消費税増税”の検討を促したい考えを示した。
女性自身という媒体の読者層をかんがえれば、増税メガネと財界による庶民いじめという書きかたが売れるということなのでしょう。
消費税(付加価値税)なぜ悪い?系の文章を書くと、「アホかこいつ( 一一)」とおもわれてアクセス数が数日がた減りするため、なるべく短めに書いておきます。
子供と高齢者に比べ、労働力人口が少ない状態。労働者の減少で消費が低迷したり、1人当たりの社会保障負担が増したりすることから、経済成長を阻害するとされます。オーナス(onus)は重荷や負担を意味します。一方、労働力人口が子供と高齢者に比べて多い状態は「人口ボーナス」と呼ばれ、成長を促進する要因になるとされています。
最近はなかなか取り上げられることがありませんが、私が学生のころから「人口オーナス(onus)」という概念がありました。
日本において人口ボーナス期と人口オーナス期の転換点はいつかというとき、過疎化の最先端地域(俗に言うど田舎)は1970年代末期、一般的な地方で1980年代後半、日本全体で1990年ごろが境目ではないかとされていました。
どうしても経済関連の記事は、バブル崩壊の原因を消費税(付加価値税)に求めてしまいがちになります。人口学や社会学では、税体系の変化が影響を与えたのではなく、勤労層の増加が頭打ちになり、医療・介護・年金におカネがかかる層が増えはじめるオーナス期への突入が、経済衰退の引き金とみたわけです。
当時、私が習ったのは、団塊ジュニア世代が65歳を迎える2035年〜2040年が、オーナス期の頂点であり、少子化対策が劇的に成功(第三次ベビーブーム到来)しないかぎり、1990年を起点とするなら約50年間、地獄に向けて転がりつづけていかなければならない。そして、その50年耐え忍び日本国が生き延びれば、また次の未来があるはず、というものでした。
1990年の高齢化率(65歳以上の比率)は、12%。医療費がハネ上がる80歳以上は2%でした。国家予算のうち社会保障費は40兆円ほど。
現在でいう協会けんぽの労使折半前の保険料率は8.4%であり、国民年金の掛け金は月8,400円でした。
現在、高齢化率は29%で、80歳以上は10%です。
協会けんぽは労使折半前&介護分込で11.82%、国民年金の月額掛金は16,520円です。
30年ちょいで、高齢化率は2.4倍になりました。80歳以上については、5倍です。
協会けんぽは退職後は国保加入になるため比較的高齢化の影響は受けにくいものの、それでも1.4倍。国民年金の掛け金は2倍です。
ちなみに1990年と現在で、公共事業費は約6兆円でほぼかわりません。学校関連予算も同様。国家予算は、その折々の政権の目玉政策も影響してきましたが、基本的には、医療・介護・年金のために膨張しつづけてきました。
まだ旧民主党と当時の連合がインボイス導入推進だったころ(政権奪取前のころ)、我々末端から上層まで、2040年にオーナス期のピークを迎えるまでどうやって凌ぐかが、議論の射程だったわけです。
日本には1940年から特別徴収(給与天引き)という悪習があります。もとは戦費調達のため、給与生活者を狙い撃ちしたものです。GHQが「自発的納税は民主主義の基本だからこんなの廃止しろ」と再三やっても頑としてはねつけ、大蔵省(財務省)が堅持してきた鬼畜レベルの既得権です。
もし、オーナス期をしのぐために必要な資金(税金・社会保険料)を、給与天引き狙い撃ちで勤労層からじゃんじゃん国家が盗りまくったら?社会保障費の増額分が所得税の天引きにさらに上乗せされたら?
勤労層は生きていけません。死にます。
そして日本はもともと納税教育ができていません。
「くろよん」とか「とうごうさんぴん」という言葉があるとおり、税務署の所得捕捉率には限界があります。全国民を相手にして所得調査を本気でやるには、圧倒的に税務署(国税庁)の人員が足りません。給与生活者は特別徴収(天引き)でがっちり盗られ、自営業者や政治家は見過ごし放題では、お話になりません。
ではどうするか。とれる道は2つ。
ひとつは経営者側(企業側)に重税を課すことです。ただ、企業収益に重税を課せば、結果として労働者への分配率は下がります。
もうひとつは、消費税(付加価値税)の導入でした。
「くろよん」な、くすね放題を黙認しながら全国民に確定申告させるよりも、
儲かっている会社狙い撃ちで税金ガッポリ盗る(結果として高収益企業ほど労働分配率(給料と福利厚生)を押し下げる)よりも、
経済活動そのものから事業者経由でピンハネすれば、薄く広く盗ることができます。
大きく分けて誰をメインターゲットとするかは、
- 労働者から盗る
- 経営者(企業)から盗る
- 消費税(付加価値税)で片っ端みんなから盗る
の3択であり、財界が「自分たちから盗らず消費税をあげろ」と言い、旧民主党や当時の連合が「給料から盗るな消費税をきっちり盗れ」と言うのは、消費税は労使どちらも傷つかない第3の選択だったからにほかなりません。
ここまで読めばお判りかとおもいますが「消費税は悪だ!弱い者いじめだ!」と煽りすぎるのもかんがえものです。あまり言いすぎると「じゃああと15年、このオーナス期を誰から盗って乗り越えるのだ?」という難問が待っています。
とくに重要な点は、勤労層は子育て層と重複するという点です。給与天引きで重税と多額の社会保険料を背負わせつつ、それでもへこたれず子育てできる収入層がどれくらいあるでしょうか?これは、オーナス期を逆に引き延ばしかねない最悪の選択です。
かといって、医療・介護・年金をばっさりカットして街中に死屍累々なんて真似はとうぜんできません。だれもそんな社会はのぞまないでしょう(一部のベーシックインカム推進派ならやりかねませんが)。
勤労層からしこたま天引きがダメ、歳出削減もダメなら、企業からがっつり搾取でしょうか?それも無理なことはさきほど説明しました。
どれを選んでも、いまよりはやく社会は崩壊してしまいます。
こういう議論が出来るころまではまともだったのですが、小沢自由党合流前後から或る経済学者の主張に飛びつき派手に「埋蔵金」論争をやりはじめ、すっかり感覚がマヒしてしまいました(いまでもこのA級戦犯はのうのうと生き延びて偉そうにしています。経済学なんてろくなもんじゃないと教えてくれた偉大な反面教師ではあるのですが)。政権奪取後、やつの吹き込んだ魔法はまったく使えないと気づいて大崩壊(当たり前)。政党そのものが木っ端みじんになってしまい、四散しました。
魔法使いに臣従せず、冷静でありつづけることができれば、あそこまでボロ負けせず、違う道がありました。
ほんらいあるべきだったのは、消費税を上げて、その代わり勤労層が給与から天引きされる税金や社会保険料を減免するという道です(要は財界が求めている法人税引き下げの逆)。さきにも書いたとおり、勤労層は基本的に子育て層と重なります。勤労層への減税で、子育て世帯を増やし、少子化を食い止めることはできなかったのか?
医療・介護・年金が2040年まで右肩上がりで食いつぶされる現状は動かせないのですから、誰から盗るかを動かし、少しでも未来につながる工夫をしなければなりません。
消費税を財源とした勤労層(≒子育て層)減税・免税こそ、財界の犬いがいの各政党がもっと主張するべきですが、みごとにスルーしています。
消費税アップというだけで拒絶感がすごいためそうなってしまうのですが、はたしてそれでよいのか?という気はします(まぁ、誰も納めないんだったら配らなきゃいい、という発想まで否定はしませんが)。
13日の残りの記録と、14日朝の記録。
13日朝のゴミ出しのついでに、平日常勤している事業所のごみ回収場(事務所や事業所の中までゴミ回収は来ないので、敷地内のごみ回収場に各自で袋につめて持参しないといけません)の上空から、空を撮ってみました。
14日の朝は、袋めんともやしです。平日常勤している事業所とちがい、8時に出れば間に合うため、のんびりと朝食をいただきます。
(旭物産 林正二社長)
「重油でボイラーを沸かして、もやしにかける水を20℃まで上げて、そして成長させるわけです。その重油代も大変な金額がかかるわけです」温度が低いと成長しないというもやし。生産過程で使う1日1500トンの地下水の水温調整や、さらに育成室を常に25℃に保たないといけないため、多くの燃料費が必要となります。「旭物産小美玉工場」では原料や燃料費などの値上がりで経費が年間で1億円以上も増えているのです。
(旭物産 林正二社長)
「コストは上がっているんだけれども、それを商品の価格に反映することができない。つまり値上げすることができない。このままではもやし生産者が日本からいなくなってしまうんじゃないかと、それくらいの危機感をもっています」『生産者が日本からいなくなる』物価の優等生...最後の砦「もやし」も危機!30年間で原料価格3倍に...なのに小売価格は2割下落 | 特集 | MBSニュース
去年まで19円だったのが、近所のスーパーでもいちばん安いところで30円になっていました。生産者もつらいし、貧困でかつかつの私にもつらいところです。
圧倒的に治安警察が足りない。
蕨(わらび)市も怖いって… - 死体を愛する小娘社長の日記 (hatenablog.com)
読んでいておもうのは、先に書いた「くろよん」「とうごうさんぴん」問題同様、公務員が圧倒的に不足しているということ。消費税にしても税務署の都合で免税点を設定して免税事業者を規定したのがそのままになりました。30年以上経って既得権化したいまごろになってひっくり返そうったって、困難だということくらい、わかります。
所得調査をやるにしても、免税点を下げるにしても、IT化だけでなく、人員の確保が必要です。それだけ雇用も増えるのですから、ほんらい歓迎すべきことでもあります。
この蕨市の件にしても、まずは治安警察を増強して対処すべき話です。
軍と警察は国家がそのルールを守らせるために持つ暴力装置(旧民主党政権時代仙谷さんが使って自民党が難癖つけて以降、政治学・社会学のこの真っ当な用語を嫌がって実力装置と言い換えが進んでいます。アホですね。マックス・ウェーバーくらい読め*1)なのですが、どうも日本は武力行使は行わないことが平和の道という誤解が根強い気がします。まぁ、どっかのアホどもが「非武装丸腰平和ばんざい」と学校で教えるからこうなったとも言えるし、外国から外国で教育をうけた移民を労働力目当てでつれてくるなら、外国並みに治安統制に人員を割け、という当たり前のことがわかんないのが与党やってるという、笑うに笑えない事態だからこうなるともいえます。
人口6,500万人のフランスでジャンダルムリ(警察軍)が予備役込みで10万人。日本は人口がだいたい倍なので20万人は居る勘定です。併せて大都市部の警察活動を受け持つフランス国家警察が後方スタッフ込みで14万人で、日本との人口比だとこちらも28万人は居る勘定。
日本の治安警察(イメージが悪いため、日本では警備警察と言い換えられます)の要な機動隊さんの定員は予備含め12,000人です。それ以外の日本の警察官ぜんぶ足しても26万人。
なお、常備自衛官ぜんぶで14万ちょい。フランス軍は定員31万人だから、人口比で4分の1も居ません。
15日の朝、この記事を読み返し、ジャンダルムリ(国家憲兵隊とか警察軍と訳します。軍人の身分をもつ警察官)を二重にカウントしていることに気づきました。大変申し訳ありません。ジャンダルムリをのぞけばフランス軍の定員は21万人です。本文修正ではなく、追記で補足させていただきます。申し訳ありません。
(2023.10.15)追記
なんでも少なきゃいいというものではないのです。