21日の記録
平日勤務後、議員事務所に行きました。
相続した土地について、「遠くに住んでいて利用する予定がない」、「周りの土地に迷惑がかかるから管理が必要だけど、負担が大きい」といった理由により、土地を手放したいというニーズが高まっています。
このような土地が管理できないまま放置されることで、将来、「所有者不明土地」が発生することを予防するため、相続又は遺贈(遺言によって特定の相続人に財産の一部又は全部を譲ること)によって土地の所有権を取得した相続人が、一定の要件を満たした場合に、土地を手放して国庫に帰属させることを可能とする「相続土地国庫帰属制度」が創設されました。
相続土地国庫帰属制度は、令和5年4月27日からスタートします。
「ネットでみてこういう制度があるのを知った」という問い合わせがあり「法務省の冊子を印刷して相談者に渡し、さきに目を通してから法務局行ってこいと言え」と言っていたのですが、どういうランクのお知り合い(SSS級の支援者?)か知りませんが「かるく説明してあげて」とのこと。
https://www.moj.go.jp/content/001390195.pdf
法務省が作成した冊子を読めばわかるとおり、これ、要件が異常に厳格です。
「有体物」が地上にあっても地下にあってもダメということは、雑木が生えていても放棄車両が棄ててあっても、地べたに不法投棄が埋まっていてもダメということです。かんたんに言えば、国に引き取ってもらうために完全な更地にせよ、ということ。
おカネをだして土地を更地にして、
さらに10年分の維持管理料として最低20万円負担金を納めよ、とあります。
つまり、よっぽど条件が良い土地でないかぎり、国は引き取ってくれません。たぶん、これだけ好条件なら、ふつうに不動産売買で、売れます。
【みんなの0円物件】無償譲渡物件の不動産マッチング支援サイト-空き家,住宅,土地,店舗
議員と相談者の両方とも「ほんとうにお前の言っているとおりならクソ制度だが、そんなことがあるのか?(いくらなんでも国を馬鹿にしすぎじゃね?)」と言うため、「まずは法務局に電話して相談予約をしろ。どうせ言うことは大差ないはず」と返事をして、最後に無償譲渡の仲介サイトを紹介して、帰宅しました。
今後、相続したものの不良資産となってしまった土地は以下の選択を迫られることになります。
1:負担金を支払ってでも帰属申請する(申請の承認が前提ではあります)
2:相続登記して固定資産税など払い、土地を管理していく
つまり、いずれの選択をしても一定のコスト負担は不可避であり、どちらの損(負担)が大きいかという「損比べ」とも言えるでしょう。
この記事が指摘するとおり、負動産処分は損比べが実態です。
「子や孫を泣かせたくなければ、きちんと自分の代で負動産処分に道筋をつけよ」
そういう意識を持った高齢者が増えてくれるといいなあと、おもいます。