松村かえるの「かえるのねどこ」

旧「美風庵だより」です。

大阪府堺市西区鳳北町1丁 大鳥大社


大きい地図・ルート検索  ( powered by ゼンリン地図 いつもNAVI )

大鳥大社・公式ホームページ:堺市西区日本武尊をお祀りする神社

6月26日の日録 - 美風庵だより

2022年6月26日、はじめて訪問しました。

JR鳳駅から歩いていると、こんな看板にでくわしました。

ここは日本武尊をお祀りする神社だと聞いていましたが、増祀60年記念の大祭?

大鳥大社

社伝では、元々日本武尊一柱であったが、明治初めの官社祭神考証によって、大鳥連祖神とされてしまったとある。その後、念願の増祀が叶い、2柱となった。
日本武尊を当社の祭神とし、天照大神と日本武尊の三妃を大鳥五社明神のそれぞれの祭神とする説だ。
他に、新撰姓氏禄・和泉国神別に、
宮処朝臣 大中臣朝臣同祖 天児屋根命之後也 大鳥連 同レ上
とあり、大鳥郡大鳥郷は大鳥連の本貫地と考え、
大鳥連に関連・派生する支族の守護神を、大鳥五社明神にあてる考えもある。

つまり、明治初期に祭神が誰かを決めなければならなかったときに、神社の主張がとおらず、戦後、あらためて(神社本庁教の)許可を得て日本武尊を祀ったということです。

大鳥大社由緒
祭神 日本武尊
大鳥連祖神
例祭 8月13日
御増祀記念大祭 3月15日
当社はその起源古く古来大鳥大明神と称せられ延喜式名神大社であり和泉国一の宮である。
日本武尊は景行天皇の皇子にして勅を奉じ熊襲並に東国を平定、帰途伊吹山の賊を平げたとき病を得て伊勢国熊褒野に薨じ給うたが御屍は白鳥と化し御陵を出で大和国琴引原、次に河内国古市にとび最後に此の地に留り坐したので社を創建、之が当社の起源と伝える。
又、大鳥連祖神は大中臣と元を一にし祖先は天の岩戸開きに功を立てた天児屋根命である
聖武天皇の御世には僧行基が勅願により神宮寺としてこの地に勧学院神鳳寺を建立したが明治の神仏分離により廃寺となり当社は明治4年5月官幣大社に列格。
社殿は大鳥造と称して神社建築史上貴重な様式を今に伝えている。

九州王朝説を信奉し北部九州で神社めぐりをしてきた理解でいえば、天児屋根命とは天之忍穂耳の別名です。

(1)天児屋根命(天之忍穂耳)-天足彦-日本武尊-足仲彦(仲哀天皇)

(2)天児屋根命(天之忍穂耳)-大山咋(大物主)-崇神天皇(大中臣氏の祖、中筒男尊)※現王朝の祖

たどっていけば天之忍穂耳に連なるとしても、血縁はずいぶんとはなれています。

「6月26日の日録」を書いた時点では、大鳥連祖神は(2)の系統であり、のちに日本武尊の伝承にのっかって家系をリブランディングしたのではないかと書きました。しかしあらためてよく読めば「大中臣と元を一にし」であって、べつに(2)の系統につながっているとは書かれていないわけです。

日本武尊の末裔が大島連祖神であり、自らの血筋のよさをアピールするため「大中臣と元を一」と主張しただけとも読めます。おそらくこちらのほうが正しいでしょう。

鳥居と社号標をながめつつ、なかに入ります。

この祓所がなにを祓うための場所なのかわからないのですが、妙に雰囲気を感じます。

その横にあるのが、日本武尊の銅像です。

有名な八角の柱の鳥居のまえに、茅の輪があります。えらく気が早いなとおもいましたが、福岡の地元が7月末にやっているだけで、暦どおりならこれが正しいのですよね……。

鳳凰の御神紋はほかでみたことがなく、なかなかかっこいいものです。

大鳥大社 - Wikipedia

本殿は大鳥造といい、「切妻造・妻入社殿」という出雲大社造に次ぐ古形式を保っている。 

拝殿、神門、本殿と縦にながく、大鳥造の本殿がどういう姿なのかだいぶ首を伸ばしてみましたが、よくわかりません。

横にまわりこんでみると、入り口が中央にあり、社殿が切妻屋根をかけた2間の正方形なのがわかります。入り口が向かって右の大社造とも、奥行きが倍の住吉造とも、ちがいます。

社殿を観察していると、裏手に向かって鳥居があるのがわかります。

案内板はありませんが、ここは「奥宮」であり、飲食物は直にお供えしないよう注意書きがありました。

御神体は石柱です。これがもともとの祭祀だったのでしょうか?

この奥宮、社殿にたいして横を向いています。この配置にも意味があるのでしょうか?

境内に、大鳥美波比神社と末社を合祀したお宮があります。案内板には大鳥美波比神社は昭和初期、現在地に移転してきたものであることが記されていました。

末社の扁額をみると4社が合祀されているようです。

根上がりの大楠は「値上がり」、商売繁盛の祈願がたえないそうで、全景を撮影しようとだいぶiPhoneを持ってうろうろしてみましたが、ぜんぶを画像に収めるのは困難でした。

盆栽の根上がりは、掘り起こした樹木の根っこを筒で覆っておき、それを地面に置いて根っこを活着させ、あとで筒だけ壊して元の根っこを露出させてつくります。こういう大きなものでそんな芸当ができるはずはありませんし、どうやっているのでしょう?

(2022.06.26訪問)