松村かえるの「かえるのねどこ」

旧「美風庵だより」です。

2024年5月14日(火)の日録。

しばらくは淘汰されていくことになろうかと思います。

2023年度に判明したステーキ店の倒産は10件で、前年度の5倍にのぼり、2010年度以降で初めて2桁となり過去最多を更新した。
ステーキ店の倒産が増加した背景には、円安の影響などで輸入牛肉の仕入れ価格が急上昇するなど、経営環境の急激な悪化が挙げられる。財務省の貿易統計によると、ステーキ店などで使用が多いサーロインなどの米国産牛肉(ロイン)価格は、2023年度平均で100グラムあたり200円を超え5年間で1.4倍に、米国産より安価な豪州産も5年間で1.3倍と急上昇した。米国産では、ウクライナ紛争や干ばつなど異常気象の影響で飼料となる穀物や乾牧草の高騰により生産コストが急騰した。 

ステーキ店の倒産、過去最多 円安で苦境 米国産、5年で価格1.4倍に サラダ野菜の高値も響く(帝国データバンク) - Yahoo!ニュース

円安というのは円弱でもあるため、海外から買ってくるものが高くなるのは当然です。これまで輸入肉で格安ステーキを提供していた形態は、この円安がつづけばほとんどなくなるでしょう。

アベベとT橋が言う円ドル300円で日本大復活といっても、国産牛の餌である配合飼料(濃厚飼料)の原料はほぼ輸入ですから、補助金を減らして公定価格をあげていけば、いずれ牛肉も牛乳も最終価格に反映せざるを得ません。

いまはタイムラグで輸入牛のほうが高くなっているだけで、各生産事業者(農家)が現在仕入れた飼料の在庫を吐き出せば、いずれ国産牛価格も上昇します。

コストの価格転嫁がうまくいくとはかぎりません。これからステーキ屋さんだけでなく、各生産事業者(農家)の廃業も相当数増えるでしょう。

https://www.kantei.go.jp/jp/singi/nousui/shokunou_dai5/siryou2.pdf

ご承知のかたも多いと思いますが、現在、飼料価格の激変緩和のため公金投入中です。ガソリン代と同じようなことが行われています。つまり、酪農や肥育農家の餌代に間接的に税金をぶち込んでいる状況なわけで、下駄をやめたら、値上がりが待っています。

牛肉|情勢|相場|JA全農ミートフーズ株式会社

円安のおかげで牛肉の輸出量は増加基調です。最初は「これも外貨獲得に寄与するからいいじゃないか」となんとなく考えていたのですが「うかつにそうも言えないな」という気がしています。飢餓輸出とまでは言いませんが、国民の税金で出血サービスしているもので特定の事業者が外貨を稼ぐというのは、どうも違う気がします。まぁ、それだけきちんと納税してくれればいいということなんでしょうけどね……。

それにしても牛肉の国内消費は右肩下がりです。これが「日本人の高齢化による肉ばなれ」なのか、カネがないから牛肉を食わなくなったのか、まだなんとも言い難いところではあるのですが。

 

14日の記録。

今日はいつもと趣向をかえて、朝食にココアを混ぜたパンケーキをいただきました。

せっかくテフロン加工の片手鍋を買ったので、片手鍋で焼いてみました。

ただ、しっかり中まで火を通そうとすると底が焦げてしまいましたので、生地をどかんと流し込まず、3回くらいに分ければよかったですね……。

 

けっこう深刻な問題だったりします。 - 2024年5月12日(日)の日録。 - 松村かえるの「かえるのねどこ」

LINEで質問が来たので補足しておきます。

左は「いきなり◎テーキ」の会社さんのチャートです。絶頂期は8,200円だったのが現在120円。高いころに株をつかんだみなさんは目も当てられません。しかし、赤字決算続きで86円をつけた底値で拾えば、120円なので悪くはありません。

みんな大好きNYダウも、コロナで大暴落しています。私も頭がくらくらしました。

問題は、有り金はたいて天井でつかむと、追加資金でナンピン買いもできなくなる点にあります。かりにナンピンしたとしても、最初にありったけカネをぶち込んでいますから、買付コストをぐん、と下げられるような資金調達のあてがありません。

NISAだろうとそうでなかろうと、毎月定額で投信積立、できれば毎日購入の設定が選べる会社でやれ、というのは、頭金どかんといれたらあとで相場が動いたときにまったく身動きがとれなくなる点にあります。

そして「NISAをはじめませんか?」と営業さんが勧誘しているような初心者層は、「買い」も「売り」もある、という基本を理解していません。みんなが「よーし、ぼくも億万長者だ~めざせFIRE~(/・ω・)/」とカネをぶち込めば、とうぜん売り浴びせる事業者(へたするとその銀行や株屋自身)が出てきます。

そのからくりすらろくに理解していないくせにネットでかじった情報をみて、私に向かって「臆病」とか「へたくそ」と言い、敢えて特攻爆損してしまうわけです(生きてますかね……もう何年も見てませんが)。

「大きな流れを買う」ためには、小さい上下動を無視できるくらい日々コツコツ買う以外、道はありません。

問題は、それは金融機関からみて上客ではない、ということです。

13日、ネットを眺めているとこんな記事がありました。

 

高校に「投資部」 新たな形の金融教育は | NHK | ビジネス特集 | 金融

気になるのは、元手は学校が準備するという点です。

投資でも投機でもなんでもそうですが、自腹切って死ぬ目に遭わないと、覚えません。

他人のカネがいくら溶けても、そんなものか、で終わってしまいます。

あと、運用の成果を求めないというのが投資なのか?という気もします。この報道だけみると「買い」しかないのも気になります。

とはいえ高校の部活ですから「儲けがでたら慈善団体に寄付」はいいとして「損は君らと保護者で学校に弁償」というわけにはいかないでしょうしね……。