薫明堂さんというと「零陵香(れいりょうこう)」という永平寺御用達の線香が有名です。
今回は少しだけ高い「昇龍香」を買ってみました。
「仏前にてきとうな安い線香なんかお供えするな。うちみたいにちゃんとしたものをお供えしてやれ」という有難いお言葉が同封されています。
この昇龍香は約40g入りで税込み1,700円ほど。
孔官堂(カメヤマ)の仙年香大バラ詰が340g入りで希望小売価格が1,760円なので、だいたい量は8.5倍です。
これだけ量がちがうと、とうぜん使われている香料の質も中身もずいぶんことなります。
甘くまろやかな香りで、傾向としては日香さんの「沈香寿山」や薫主堂さんの「薫主」に近いものを感じます。もっと言うと、日香さんの「伽羅永寿」を濃くした雰囲気もあります。
むかしなにかのおりに教えていただいたのは、沈香に白檀をうまく調合すると、こういう甘くまろやかで重厚な香りになるということでした。各社それぞれ、その基本のうえに、天然香料や合成香料をくわえて、商品化しています。
日香さんの「沈香寿山」は約50g入りで希望小売価格が6,050円します。この製品の約3倍です。
焚き比べると傾向は似ていても、さすがに濃厚さは「寿山」が上です。とはいえ、伝統的な調香で感じる辛味や、合成香料にたよらないことからくる薄さははあるものの、それなりに近い傾向の香りがこの値段で手にはいるわけですから、試してみる価値はあるとおもいます。
お断りしますが、傾向が似ているというだけで、完全には一致しません。
もっと沈香からくる甘さをかんじたいなら「薫主」、合成香料?と白檀からくる明るさをもとめるなら「沈香寿山」といったところでしょうか。