松村かえるの「かえるのねどこ」

旧「美風庵だより」です。

北九州市八幡西区屋敷1丁目 住吉神社・稲荷神社


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けっこうな石段を登ります。

画像右手に住吉神社、左手に稲荷神社が並んで鎮座しています。

拝殿の後ろに本殿がくっついています。

住吉神社略記

鎮座地
北九州市八幡西区屋敷(北城之腰)

御祭神
拝殿
底筒之男神
中筒之男神
上筒之男神
右記筒之男神(住吉三神)は、墨江之三前大神(古事記)

祭日
六月廿八日

由緒
創立年月不詳。大阪市住吉区住吉大神請。
往古は、黒崎の出鼻、屋敷海岸東北の隅に、光を放つ霊石があり、祠があったという。住吉の神と称し、船人これを祀ったという。そこを古住吉という。
秋月藩は、大坂に輸送する貢米の集積地を、元禄二年(一六八九)七月に芦屋の屋敷を黒崎に場所替し、その後、同十五年(一七〇二)山鹿にもあった蔵屋敷も造替を機に、移転する。これが秋月藩蔵屋敷であり、屋敷町の発端である。
屋敷整備に伴い、その祠は、古住吉から、蔵屋敷の東隅に、社殿を再興。次に、屋敷西の城山麓に移し、近代に入り現在地に遷座した。
この住吉の神は、洞の海(洞海湾)往来の船の安全を祈願する海の守神である。祭礼には、神楽・湯立等があり、屋敷中賑わったという。
秋月藩主黒田の殿様も代々崇拝して、参勤交代で休泊の時は、屋敷内に設けられた御茶屋(御本陣)に入り参詣した。御用船には、住吉の神が祀られ、航海安全を祈願した。又、大坂中之島にあった蔵屋敷にも住吉の神が祀られていた。因みに、本藩福岡藩は、太宰府の菅公を祀っていた。

境内神社六社
稲荷神社(遷座)
菅原神社(遷座)
秋月神社(遷座)
愛宕神社(遷座)
恵比須神社(遷座)
厳島神社(遷座)

境内神社六社のうち、かつては秋月神社もありました。御祭神は、黒田長興神霊で、この長興は、黒田長政の三男で、秋月藩の藩祖であり、長政は、一時は後継に考えたといわれる英明な人物とされています。
寛永二年(1625)二月、幕府より秋月領(五万石)安堵の別朱印を拝領するため江戸に登る際、本藩の忠之と御仲不和のため、お忍びの渡海であったという。黒崎の妙見崎の波戸場(古波戸という)から、下関まで丸木船に乗組んだ三人の船頭は、後刻、褒美・目録をたまわったという。屋敷に残るこの「三艘船」の由来も、この長興の頃のものです。
黒崎歴史塾

なんとここ、秋月藩に縁がある神社でした。航海の安全のために秋月藩が現在の住吉大社を勧請したものとのこと。意外なところで地元との縁を知り、おもわず手をあわせます。お賽銭も100円玉を奮発しました。

社殿脇の石には注連縄があり、信仰の対象とされていたのでしょうか。

まさかこれが由緒にある「光を放つ霊石」?

裏の倉庫らしき建物は、屋根が抜け落ちています。

隣は伏見稲荷の扁額があります。鳥居を奉納したお店は、久留米藩有馬家御用達で江戸時代から続く老舗です。隣の住吉神社が秋月藩が蔵屋敷のために勧請した神社で、その横が久留米藩関連。ここがJR黒崎駅からほど近い場所であることを忘れそうになります。

鳥居のさきにあるのは伏見稲荷の講社事務所です。お稲荷さんの石祠が右脇に写りこんでいます。

お地蔵さんと観音さまに手をあわせます。

お稲荷さんの石祠に手をあわせていると、なにやら気配を感じます。

講社建物の背後を抜けると、奥の院扱いで複数の石碑や石祠が並んでいます。

画像手前から「白菊大神」「春高大神・季高大神」「国照天神」「義隆大神」と読めます。おそらくはお稲荷さんでしょうが、どういう由来のものかはこれだけではわかりません。

おそらく参拝は一段下の建物から行われていたのではないかとおもいます。というのも、まともに石祠と頭の位置が合うようしゃがみ込むと尻が突き出てしまい、体勢を崩しそうになります。

御神使のキツネさんをよくみると、手に持っている(身体を押し付けている)のは宝珠ではありません。ヘビさんのようです。それに耳のあいだには神様がおられます。

神さまを頭にのせて、ヘビさんといっしょに各地を駆け回るイメージでしょうか。

もとはもっと大きく立派なお宮さんだったのでしょう。現在社殿が建っている場所以外にも、往時はなにか建物があったとおもわれる土地がひろがっていました。

福岡県神社誌:下巻392頁
[社名(御祭神)]住吉神社(底筒男之神、中筒男之神、表筒男之神)
[社格]無格社
[住所]八幡市大字藤田字北城腰
[由緒]記載なし。
[境内社(御祭神)]記載なし。
(2023.01.23訪問)

福岡県神社誌:下巻393頁
[社名(御祭神)]稲荷神社(宇迦魂神)
[社格]無格社
[住所]八幡市大字藤田字北城ノ腰
[由緒]記載なし。
[境内社(御祭神)]記載なし。
(2023.01.23訪問)

訪問当日の様子はこちらに掲載しています。

2023年1月23日の日録 - 美風庵だより