松村かえるの「かえるのねどこ」

旧「美風庵だより」です。

2024年1月12日の日録。

メロQの売名もひどいが、文句の言える立場か?

 れいわ新選組代表の山本太郎参院議員が令和6年能登半島地震の被災地に入ったとX(旧ツイッター)で報告したことに波紋が広がる中、日本維新の会の音喜多駿参院議員が2023年1月8日、Xやブログで「何やってんだよ、本当に」などと山本氏を批判した

炊き出しカレーも食べる...れいわ山本太郎氏の被災地入りに「心から愕然」 維新議員が猛批判「何やってんだよ、本当に」(J-CASTニュース) - Yahoo!ニュース

九州北部豪雨(地元では29災と通称されております)のとき、現地で元同業かつ部外者として公務員さんの仕事ぶりを眺めていた印象から申し上げます。

まず、指揮命令系統上、災害対応は正規雇用の職員さんが中心で対応します。非正規(会計年度任用職員)は、災害対応で雇われた者でもないかぎり、かかわりません。役所によっては正規雇用の組合員だけでは36協定が成り立たないくらい人員を減らしているところもあり、一部の人間が青天井で残業しつづけざるを得ない状態が発生します。

たとえば、自主避難所でないかぎりかならず複数名の職員を交替で配置します。だいたいどこも2交替か3交替制です。この規模になると長期戦を見越さないといけませんから、避難所に入った翌日は代休なんて悠長な真似はできません。避難所配置の翌日に通常勤務に入らざるを得ないケースも多々あります。

そして、役所の仕事はもともと災害対応だけではありません。税金や福祉のほうに大多数を割いています。防災部署に一度も配置されずに定年退職を迎えるひとのほうが、多数です。数百人数千人居ても、防災部署を経験した人数は、かぎられます。実務経験者でないとわからない「判断」の領域をこなせる人数にはかぎりがあるわけです。

よく「マニュアルとか準備していないのか!」とマスゴミは騒ぎますが、台風をやり過ごすための対応とかなら、年に数回来ますからよっぽどの新人でもないかぎり、慣れています。問題は、マニュアルに書いてあっても実戦経験がないレベルのものは互いの阿吽(あうん)が成立せず、机上演習(シミュレーション)どおりにはいかないことです。

だいたい、机上演習は、それなりの立場であったり、比較的「できる」人間を揃えて実施します。本番では、被災して出てこれない人間もその中には相当数いるわけで、机上演習に参加した、ほんらい各現場の指揮者となるべき人間が欠けて、マヒします。

わたしが公務員になったころは、むかし話を交えつつ「いざというとき、自分より後ろには誰も居ないかもしれない(上司が全員逮捕されるか死ねば自分が最終決定者にならないといけないかもしれない)」と若いうちから覚悟を持って働くよう語ってくれる先輩もいましたが、いま、そんなことを令和の新人に言っても「パワハラだ」と嫌われるでしょう。時代が違います。

他から応援があるというと、いかにも助っ人がホイホイなんでも片づけてくれるかのように錯覚しがちです。しかし、少し考えればわかりますが、そんなことはありません。土地勘がないと最初は手も足もでません。土地勘があれば、「どう迂回すれば現地に到達するか、車は無理でも徒歩なら可能か」「山がちだからここは危険」「ここは水が流入したらなかなか引かない」という知識が事前にありますが、それがなければメシを食らう棒人形が増えるだけです。災害レベルがあがればあがるほど、事前に地図なりなんなりで整理された情報以上のなにかが重要になります。じっさい、通信インフラの途絶状況を確認するのにヘリコプターの手配が間に合わず、戦前の地図に載っている、いまは山の手入れに行くひとしか通らない道を、地元民から教わって歩いたりもするのです。

ここに、上級国民のかたがたによる「行幸・行啓もどき」が加わればどうなるか。

どこからそのホスト役をひねりだすのか?

そんなことにかまけるくらいなら、行方不明者捜索にリソースを割くべきではないのか?

まぁ、考えなくてもわかりそうなものだから、ほかの政党が申し合わせたわけです。

そういう意味ではメロQは、絶後級のウマシカと言っていいでしょう。

荒らして喜ぶyoutuberやマスゴミと変わりません。

ただ。

https://www.soumu.go.jp/main_content/000608431.png

総職員数は令和4年4月1日現在、280万3,664人で、平成6年をピークとして対平成6年比で約48万人減少。対前年比は、3,003人の増加。

総務省|地方公共団体の行政改革等|地方公務員数の状況

なぜこういうことになるかというと、根本的には、正規雇用の公務員を削りすぎているから、こうなるわけです。人件費削減・合理化を旗印に正規雇用をガンガン削っている戦犯どもが、いっちょまえに善人面しています。

クズとゴミのケンカとでも言いましょうか。吠えるほうも吠えるほうだし、批判するほうも批判するほう。

なんかどうしようありませんね。