松村かえるの「かえるのねどこ」

旧「美風庵だより」です。

2023年12月16日の日録

むかしからあった話なのですけどね。

事故死されたら物件価値が暴落するのをおそれ、高齢無職おひとりさまだとそう簡単に賃貸物件が見つからないのは、なかば常識だとおもっていました。

ところが、その空室が目立つ狭い部屋ですら、70歳になるとなかなか借りられません。
空室があって、それを借りたい人がいて、相互に求めているものが合致しているようにも感じますが、高齢者はほとんど貸してもらえないのです。
実際どれくらい借りられないものなのでしょうか?50件問い合わせをして、高齢者に部屋を貸してくれそうな対応は2、3件と言われています。

5000万円持ってても!?おひとり様78歳女性が直面…賃貸物件を借りられない残酷な現実 | ニュースな本 | ダイヤモンド・オンライン

資産も収入もなければ公営住宅というテもあるのでしょうが(おひとりさま差別がない案件というと、これくらいしか思い浮かびません)、さすがにそこまでプライドを捨てる度胸もないようです。

身近な例というか体験談をひとつ。

私の親は小学校の時に離婚しました。実際には入学時点ですでに別居していたのですが、手続き上は小学校2年のときです。大人になり戸籍をみるまで知りませんでした。裁判って時間がかかるものなのですね……。

この実母、一時期年下の男とできていたのですが、それも続かず、親の実家で親と同居していました。親の死亡後、(1)ほかの兄弟は相続放棄するので住んでいる家を独りで相続して固定資産税を自力で払って維持するか、(2)税金を払う気がないなら兄に明け渡すか をせまられます。

私に言わせれば、遺産のうち現金はこっそり丸盗りで、地べたの税金は今後兄持ちで、家にはそのまま住み続けるという、想像を絶するお花畑プランを周囲に白状すれば、伝聞でそれを聞いた兄にどやされないわけがありません。ぶちぎれて殺されなかっただけ感謝すべきです。

それにしても、なんでこんなのが実母なんでしょうかね……。

なんとこいつ、その後、甘木の我が家の近所で6年ほど住んでいたことがありました。

最初は我がマンションに転がり込むとか寝言を言っていたので「この家には(実父)や(父方の親戚)が来るからあんたなんか囲えるか」と正直に言うと、こんどは「近くに借りて住む」と言いはじめました。

無職ですが遺産はあります。雑誌記事と条件はほぼ同じです。

我がマンションの件(空き部屋の売買とか)などでお世話になっている不動産屋に連れていくと、カネがあっても高齢無職おひとりさまというだけで「家主さんが嫌がる。嫌がるとわかってるからうちも仲介はしない」と渋ります。

「借りるなら(私)さんの名義で契約して、家賃はあなたの通帳からの口座引き落としじゃないとご紹介できません。住むのは(実母)さんひとりでもいいですけど」という話になり、すでに家があるのになぜかもう一軒アパートを契約する羽目になりました。

月イチで家賃の集金に行っていたのですが、親に対する態度ではない(家賃をきっちり毎月回収に行くのは「生んでいただいた」感謝の念が足りないらしい)と不満があったようで、6年後、こんどは自分の親戚を頼って県外に出てきました。

こちらから探すこともしていませんので、現在音信不通です。

生涯未婚率(50歳時の未婚率)は上昇を続けており、2020年には、男性で25.7%、女性でも16.4%に達している。生涯未婚率の上昇は、日本における皆婚慣習の崩壊が近づいているかどうかの指標でもある。男4分の1、女1割5分超が結婚しない社会となってきているのである。

図録▽未婚率の推移

おひとりさま対策を、そろそろしっかり考えないといけません。 - 2023年11月26日の日録 - 松村かえるの「かえるのねどこ」

以前、葬祭保険のような制度が必要になるのではないかと書きました。

未婚率が上昇し、収入は年金(+アルバイト)の高齢独身おひとりさまが大量リリースされる時代は目前です。

若い、まだ勤労層だった時代から賃貸して、そのまま建物に居ついて齢をとるスタイルなら、そう簡単に叩き出されはしません(ゼロとは言いませんが)。話があれば、将来無職高齢おひとりさま確実なかたには、勤務先があるうちにこのパターンをおススメしています

しかし、すでにそういう年齢すら過ぎていると、一気に誰も貸し手がなくなります。中古を買うというテも使えますが、だいたいこういう話で悩む層は、思いきっておカネを使うほどの余裕はない小金持ちなので、ふんぎりがつきません。

やはり、事故物件化したあとの処理代や遺体処理費、相続手続費用の保険化で、どうにかして無職高齢おひとりさまにも強制的に賃貸の道をひらくしかないと思うのですよね……。

 

16日の記録。

誰もめんどうはのぞんでいないのですが急に周囲が忙しくなり2,3日ほど日記作成できていませんでした。

youtu.be

原稿を書きながら音楽を聴き、気になったところで画面を切り替えれば、楽譜を確認できます。便利な時代になりましたね……。どうやら音源はユーリ・シモノフ指揮のロイヤル・フィルのものらしいのですが、どこにこんなイントネーション書いてある?と思う瞬間があります。

Gorecki : Symphony of sorrowful songs ( World premiere recording) Woytowicz/ PRNSO/ Katlewicz - YouTube

たんにBGMとして聴くなら、こちらの世界初録音のほうがよい気がします。