松村かえるの「かえるのねどこ」

旧「美風庵だより」です。

八女市本町 八幡宮(土橋八幡宮)


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今昔マップ on the web:時系列地形図閲覧サイト|埼玉大学教育学部 谷謙二(人文地理学研究室)

明治時代の地図と現在の地図を比較すると、旧街道沿いに神社があり、周囲の都市化はそこまで進んでいなかったことがわかります。

まず、この原型を記憶しておいてください。

旧街道沿いに、八幡宮の扁額を掲げた一の鳥居があります。参道は駐車場となっています。

敷地を守る狛犬さんは、口があかく目が充血しています。どことなく狛犬というより南方系の顔立ちです。

コンクリートで補強された御神橋を渡ると、楼門があります。楼門の手前は公衆トイレで、楼門の先は?なにやら建物がみえます。

楼門から入って左を向くと、バス路線がある市道がみえます。そちらにも、鳥居があります。右を向くと、社殿です。

参道の両脇にお土産屋さんや飲食店がならんで門前町を形成するのはよくみますが、なんとここ、商店街が形成されているのです。

戦後、大陸から引き揚げた人々が闇市をはじめ、それが商店街の原型となったとのこと。

社殿すぐ近くに、営業中の店舗をしるした地図がありました。

社殿正面から撮影してみました。「商店街のアーケードを抜けると、そこは神社」という、かなり斬新な絵姿です。

社殿正面向かって左脇に、画像左から恵比須神社、記念碑、石碑、恵比須神社、石碑が並んでいます。

社殿正面向かって左奥に、お宮があります。中を拝謁させていただくと、左から天満宮・大神宮・金刀比羅神社です。

中央に御神庫とおぼしき建物があり、右側にも境内社のお宮があります。祭神がどなたか、看板等は発見できませんでした。しかし、福岡県神社誌に掲載の境内社と突き合わせると、おそらく生目八幡神社だとおもわれます。

横からみると、じつに立派な権現造の社殿であることがわかります。

むかしは八女郡一の神社だったとのこと。往年の格式がうかがえ、現況とのギャップにあらためて驚きました。

拝殿のかえるまたで、波乗りウサギがブレイクダンスしています。

バス路線がとおっている道からだとこんな感じで、とても権現造のでかい社殿がこのさきにあるとは想像できません。

帰宅後、福岡県神社誌を確認したところ、以前は「八幡大菩薩・春日大明神・高良大明神・住吉大明神」を祀るお宮とありました。どうやらただの八幡宮ではなく、元は玉垂宮でもあったようです。

福岡県神社誌:中巻279頁
[社名(御祭神)]八幡宮(応神天皇、長息足姫命、武内宿禰)
[社格]郷社
[住所]八女郡福島町大字本町字西唐人町
[由緒](略)明治六年三月十四日郷社に列せらる。
[境内社(御祭神)]天満神社、大神宮、生目八幡神社、恵比須神社、金刀比羅神社、恵比須神社
[摂社(御祭神)]記載なし。
[末社(御祭神)]記載なし。
(2022.07.14訪問)