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削った「鉛筆1万本」 投票所の感染対策で市職員が…(テレビ朝日系(ANN)) - Yahoo!ニュース

20日にネットで急上昇したワードが「鉛筆1万本」。群馬県太田市の職員が、衆議院選挙の投票所で使う1万本の鉛筆を急ピッチで削る様子が話題となりました。
なぜ、こんなにたくさんの鉛筆を削らなければならなかったのでしょうか。
群馬・太田市:「4月の市長選では鉛筆を1本ごとに回収し、職員の手で消毒していました。しかし、余計な人員が必要になるなど手間も掛かり、今回は事務作業に集中できるよう鉛筆を持ち帰って頂く対策を取らせて頂きました」
太田市によると、感染対策のために今回から鉛筆を投票した人に配布することに決定。そのため、たくさんの鉛筆を削らなければならなくなったといいます。

急ピッチで鉛筆1万本削る訳…コロナ禍の衆院選公示(テレビ朝日系(ANN)) - Yahoo!ニュース

群馬県太田市。市の職員は、投票所で使う鉛筆を1本、1本、削っています。今回の衆院選では、感染防止対策として、投票に使った後の鉛筆を持ち帰ってもらうことにし、10万3000本を特注しました。しかし、投票日が予想よりも早まったため、20日からの期日前投票に間に合わなくなり、急きょ、抗ウイルス機能があるという鉛筆を1万本購入。それを、職員が仕事の合間に、1本ずつ削っているのです。

インターネットを眺めていると、このニュースに対して「非効率だ」といった否定的な意見がみられます。

むかしかかわっていた側から言うと、いまの制度(やりかた)がつづくかぎり、これもまた致し方ない、というより、頑張っている事例です。

自前筆記具を持ち込み不可としているところが多いのは、持ち込み可とした場合、まず、許可した(許可可能な)筆記具かどうかの検認をしなければなりません。ひと手間増えます。

投票用紙は、投票箱のなかでぺったんことくっつかないよう、厳密には紙ではなく、プラスチック製です。期日前投票か当日投票に行ったおりに、渡された紙を触ってみてください。つるつるしているはずです。

この用紙、投票箱のなかで自然にひらき、天地と裏表を整理しやすいようになっています。いまはもっとよい読取機(OCR)を導入しているところもあるかもしれませんが、私たちのころは天地と裏表を揃えてOCRにかけていました。機器が読み取り不可としたものを人間が目で視て仕分け、さらにビルコン(計数機)にかけ、再度全票目検したあと、2回「別々のグループで」集計します。1時間または30分単位で集計を止めて、第一計算と第二計算の照合を行い、計算ミスがないか間違いがないか確認して、県選管に速報値として送信します。

「選挙なんて作られた数字だ!」と騒ぐ陰謀論者が言うほど、全国各地で馬鹿丸出しの真似が行われているわけではありません。

こういう陰謀論を信じる手合いは、どこの市区町村も選挙前になったらバイトさん雇ってますから、いっかいバイトに行ってみれば、いかに自分の発言が妄想か、わかると思います。

カウンタ稼ぐためにデマをまき散らすだけなら、そんな努力も必要ありませんけどね……。

 

話を戻すと、このプラスチックの投票用紙、油性ボールペンも最近の低粘度インクのものは、書いてすぐこすってもにじんだりしませんが、むかしのタイプだと、にじみます。水性ボールペンも、乾きにくいため、紙がくっつく原因になります。

書いた本人の投票用紙がこすれて汚れて読めないのであれば、自ら筆記具を持ち込んだ自己責任ですが、箱のなかで他人の紙を汚損させたら?見知らぬ他人に迷惑では?

そして1人1票が大原則ですから、ぶっとい油性マーカーを持ち込んで「仕損じた!代わりを!」とやられても、代わりに渡すものがありません。

こういう余計なトラブルを考えれば、入場券だけ持って、支給品の鉛筆で投票用紙を書いて、帰宅してもらうのがもっともリスクがないわけです。

 

選挙でアルミ製の記載台を使っているところがほとんどだと思いますが、落書きがないか、メモ紙がおちていないか、定期的に巡視しやすいよう、あの記載台を利用しています。

もし油性ペンで候補者や政党名のリストを汚されたら、貼り替えなければなりません。投票人が途切れたらすぐ確認が理想ですが、ひっきりなしだったりすると、記載台の様子を確認し忘れることがありました。前のひとの残したメモ紙を突き出され、「ちゃんとやってんのか税金泥棒!」と抗議をうけたことがあります。

都市部で持ち込み筆記具を認めているのは「他人の使いまわしは使いたくない」という要求が勝ったためでしょう。

この場合、汚損の可能性をどの程度リスクとして考えるか、各市区町村の選管が判断することになります。

製紙メーカーの推奨どおりに鉛筆で書かせようとすれば、使い捨て鉛筆を数だけ準備して持ち帰らせるか、回収して消毒してふたたび並べるか、真面目に鉛筆を削るか、といった対応しかなく、おそらくそういう対応をどこもやっていると思います。

 

正直なところ、こんなあほなことで悩むより、さっさと国が電子投票を導入してくれれば、問題は即解決です。

 

全国の市区長町村と国を回線でつないで、電子投票機器を導入すれば、投開票はすみやかに終わります。一度に導入するのがリスクなら、西日本・東日本といった分割導入でもよいと思います。開票作業でせこせこ票をビルコン(計数機)にかけたりOCRにかけたりする必要もなくなります。一発で集計結果が出ます。

さらに、投票所に行って投票するのではなく、期間中、マイナンバーカードで在宅投票できる仕組みも構築して欲しいと思います。ただ、こちらのほうは、投票率上昇につながる可能性が高く、与党としてはやりたくないことでしょう。自民党も公明党も、基本的には固定層に支えられていますから、無党派層や若年層に投票の機会を与えるような政策は、本音では回避したいはずです。

今回の選挙でもそうですが「ばらまく」方向にばかり議論が集中し「合理化」や「事業仕分け」の話はすっかり影がうすくなってしまいました。
まぁ、どうせどっかで財政破綻するだろう、という諦めがあって、根本からの治療を放棄しているのかもしれません。