松村かえるの「かえるのねどこ」

旧「美風庵だより」です。

負け組の遠吠え(6)

新型コロナ: 米、ワクチン接種か陰性証明を必須に 企業に要請: 日本経済新聞

【ワシントン=鳳山太成】バイデン米大統領は9日、新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐ新たな計画を発表した。ワクチン接種か週1回の陰性証明を従業員が働く必須条件とするよう、国内企業に要請する。罰則を伴う厳しい措置を取り入れ、感染力の強いインド型(デルタ型)による経済への影響を抑える。

新型コロナ: 米経済界、ワクチン実質義務化を評価 普及へ総力戦: 日本経済新聞

バイデン米大統領は9日、従業員100人以上の企業に対し、新型コロナウイルスのワクチン接種か毎週の陰性証明を実質的に義務付ける感染対策を発表した。従わない雇用主に罰金を科すという踏み込んだ措置だ。企業側では政府による実質義務化を評価する声も出ており、感染抑制へ官民の総力戦となる。

どうやらアメリカでは、反ワクチン派の勢いがすごいらしく、ワクチン接種率が頭打ちになっているようです。

f:id:bifum:20210911091822p:plain

新型コロナウイルスワクチン接種率の推移【世界・国別】

札幌医科大学のWEBサイトから、本日(9月11日)時点のデータをキャプチャしてみました。日本よりだいぶ先行していたはずなのに、すっかり勢いは落ちています。このままだと日本が追い越す勢いです。

ファウチ博士、アメリカは「間違った方向に向かっている」 マスク指針見直しも - BBCニュース

感染者が急増しているのはフロリダ州、テキサス州、ミズーリ州などワクチン接種率の低い各州。
オバマ政権下で公衆衛生局長官に任命され、ドナルド・トランプ前大統領によって更迭されたヴィヴェク・マーシー氏は今週初め、新型ウイルス感染症COVID-19による死者の99.5%はワクチンを接種していないと指摘した。
ファウチ博士はCNNのインタビューの中で、ワクチン接種率の低い地域の首長たちは、住民に接種を促すためにもっと努力する必要があると述べた。
博士はさらに、アーカンソー州とフロリダ州の知事が接種を推進していると聞き、「非常に心強い」とした。両州知事はいずれも共和党所属で、これまでファウチ氏の助言に批判的だった。

背景には、民主党と共和党の対立があるようです。

トランプ米前大統領、集会で支持者にワクチン接種推奨してブーイング - ハリウッド : 日刊スポーツ

昨年10月にメラニア夫人と共に新型コロナに感染して入院治療を受けていたトランプ氏は、退任前の今年1月にいち早くワクチンを接種していたが、その事実を公表しなかったことで批判を受けていた。
(略)
ワクチン接種を呼びかけると一部支持者からブーイングが上がったという。トランプ氏は、「あなた方の自由は尊重するが、ワクチン接種を勧める。私は打った。ワクチンはいい。効果がある」と語り、変異種デルタ株が猛威を振るう中で自身の支持者にも接種するよう呼びかけた。トランプ氏が公の場でワクチン接種を呼びかけたのはこれが2度目。同州のワクチン接種率は全米でもっとも低い36%だとUSAトゥデイ紙は伝えている。

トランプ前大統領はコロナ感染後、しっかりワクチンを接種し、支持者にもワクチン接種を呼び掛けています。よっぽどコロナがつらかったんでしょう。その彼がワクチン接種を訴えると、集会でブーイングが出るとのこと。共和党支持者の反ワクチンは根深いようです。

いずれにしても「他人に感染させる自由」ひいては「他人をコロナで殺す自由」はどんな人間にもありません。ワクチンを打つか、陰性証明書を毎週提出するか、じつに合理的な話です。ほんらい、誰もが陰性証明書を毎週提出するのが筋なのですが、それでは社会活動が滞るから、ワクチン接種証明を代替としているにすぎません。

おそらく日本もどこかで頭打ちになるはずです。そのとき、ここまで踏み込むべきなのか、それともその必要はないところまで接種率があがるのか、注目しておく必要があります。 

 

反ワクチン派をあげつらう日記を書いていると、(先日からネタにしている看護学生ではないかたから)船瀬俊介の本を読めとメールが来ました。

船瀬俊介という著者名だけで読む気はありません。

買えばこいつに印税が入ります。話のネタに書店や図書館で立ち読みすることはあるかもしれませんが、買ってまで読みたくありませんし、私に読ませるためわざわざ書店で買わないでください。

こいつは田川高校から九大理学部、そのあと早稲田出て日本消費者連盟勤務だったかと思います。

私がまだ中学生くらいのころは、日本消費者連盟のなかの人として、日本酒の防腐剤添加問題とかを熱心にやっていました。とくに月刊「現代農業」でよく見かけたように思います。

その後、名前をみかけなくなりました。

再び目にしたのが週刊金曜日の「買ってはいけない」シリーズでした。この間に独立しており「ジャーナリスト」が肩書になっていた記憶があります。

「野焼きで猛毒ダイオキシンが発生」とか、「携帯の電磁波で脳が破壊される」とか、「IH使うとがんが増える」とか、危険を煽り素人を騙し炎上させて儲ける、ジャーナリストなのか詐*師なのかわからない、いかがわしい存在になり果てていました。

いまにして思えば、食うためには目立たなくてはいけないので、どんどんエスカレートしていったのでしょう。

環境省_水田等農用地を中心としたダイオキシン類の排出実態調査結果について

水田土壌中のダイオキシン類起源の推移

水田土壌中のダイオキシン類濃度は,1960年代から急激に上昇し,1970年前後をピークに現在まで緩やかに減少している。1960~1970年代のダイオキシン類の起源は,主としてPCP製剤とCNP製剤の不純物であるが,近年は燃焼・焼却過程からの寄与が増加している。

ダイオキシンについては、野焼きが騒がれるようになる前から、水田にも一定濃度で残留していることが問題となっていました。これは農薬を合成する際の不純物としてダイオキシンが含まれていることによります。

ところがこのことには触れません。このことに触れてしまうと、身近に存在するレベルの毒だと気づかせてしまい、炎上させにくく(騙しにくく)なるから避けてきたのだと、いまにしてみればわかります。

No.005-2 ダイオキシンの汚染源は除草剤か焼却炉か? | 西尾道徳の環境保全型農業レポート

(1)内陸の焼却施設周辺の人達の食べ物を通したダイオキシン類の摂取量を調べても,一般の人達とさほど変わらなかった。
(2)だが,ダイオキシン類の摂取量の異常に多い人達がいた。それは魚介類を多量に摂取している人達であった。
その理由として,中西氏は,ダイオキシン類を不純物として含有する農薬が日本で多量に散布された結果,それが農地から流出して,河川をへて海底に溜まり,魚介類に濃縮されたためと推定した。そして,最も重要な汚染源であるダイオキシン類を混入した農薬を排出目録で扱わずに何の手も打たず,800℃以下の焼却施設の閉鎖・建て替え・焼却灰の処分に莫大な金をかける愚を指摘した

世間が船瀬とその仲間たちに煽られているあいだに、こういうもっと注目されてよい情報は、あまり注目されずに隠れてしまいました。

船瀬はその後、内容のでたらめさに対する複数の指摘から身をかくし(潜伏?)、生活費稼ぎにシャボン玉せっけんの提灯記事をいくつか書いています。私はシャボン玉せっけんの愛好者だったこともあり、小冊子などに寄稿していた縁で、会社主催のパーティーに招かれ、そこで会社関係者から船瀬を紹介されたことがあります。もう20年以上前のことです。

7月25日の日録 - 美風庵だより

上記のホームページの「クスリは飲んではいけない」には、こうあります。
《アメリカの死亡原因のトップは“病院”です。現代の病院は、患者を治す所ではなく、“殺す”場所になっているのです。いわば、有料人間屠殺場です。医者や看護士は、さしずめ、屠殺場で働く白衣の職員です》

(略)
病院はその性格上、一般家庭や職場より死人が出る確率が高いのは、子どもでもわかります。手遅れになったひとが救急車で運ばれてくる場所なわけですから。死亡「場所」のトップを死亡「原因」のトップと言いかえるのは、有害電波というよりわざと書いているとしか思えぬ中傷です。
よくまあ起用を続ける会社があるものだとホームページを眺めていて、気づきました。
「天然」「自然」がずらりと並んでいます。要するに、そういうのを求める客に訴求して商売をやっている会社なわけです。売れるためには、周囲よりももう一段過激に主張して、目立たないといけない。それを実践しているもの同士が、手を組んだということなのでしょう。

そこでまた船瀬の記憶は途切れていたのですが、昨年、たまたま健在ぶりなのを発見しました。現在では、上記のホームページは削除されているようです。おそらく、指摘があったのでしょう。

もしワクチンが生物兵器なら、トランプさんワクチン接種するでしょうか?

スガーリンがワクチン接種するでしょうか?

しかし、船瀬ってまだこんな不安を煽って飯を食う商売やってたんですね……。