美風庵だより

幻の花 散りぬ一輪 冬日の中

黄小娥「易入門」(2004、サンマーク出版)

黄小娥の易入門

黄小娥の易入門

 

昭和36年(1961年)のベストセラーとなった易の入門書です。

紀伊國屋のホームページで電子版が出ているのを知り、購入してみました。

以下、いろいろ書いていますが本格的に易占を勉強してきたわけではないため、ツッコミどころ満載の可能性があります。どうぞ、お目こぼしをお願いします。

易は筮竹という竹ひご(のようなもの)を50本使って占うのが本式です。しかしその手順を覚えるのは手間がかかることから、この本では10円玉6枚、もしくは1枚で占える方法を紹介しています。

 

まず、易には世界の根本は陰陽に分かれているという思想があり、その陰陽の組み合わせを「卦」と呼びます。

八卦 - Wikipedia

上記のホームページをみればわかるとおり、3つの陰陽の組み合わせで、2×2×2で8通りです。

10円玉1枚を3回振るか、3枚をまとめて振れば、答えが出ます。

六十四卦の順番とイメージ「易経は最高の人生の教科書」 - 易経を勉強して自分を占う

六十四卦とは | 易経ネット

この卦を下卦・上卦の2つ求めると、その組み合わせは8×8で64通りです。これを大成64卦と呼びます。

10円玉1枚を6回振って下から陰陽を記録していくか、3枚を2回振って、1回目を下卦、2回目を上卦として記録するか、6枚まとめて振って並べ、一度に上卦・下卦を求めるか、どう求めるかはまったく自由です。

 

なお、本式にはこの64パターン(大成64卦)のそれぞれに「爻」が6つあり、8×8×6の384通りで占うことになります。

黄小娥さんの「易入門」が当時批判にさらされたのは、入門書ということでこの「爻」を切り捨て64パターンだけで考えるようにした点が、プロの占い師からみれば、易占そのものを冒涜していると理解された点にあったと考えています。
実のところ、手持ちの薄っぺらいテキストでも、こんなにばっさり切って捨てた本は、なかなか見かけません。

いちおう世継ぎ長男坊のため、小学校から高校にかけて、月に一度は寺に連れて行かれて講義をうけていましたが、その寺の坊さんの書棚にこの本があり、それを借りて読んだのが、最初でした。文章も難しくなく、なんとなくさらりと読めた記憶があります。

2003年に現在の出版社で復刊していたのも、電子版が出ていたのも知りませんでした。たまたま発見できたのは、ほんとうに運が良かったと思います。

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10円玉を6枚用意してじゃらじゃらと振らなくても、易占用の8面体になったサイコロが500円ほどで売っていますので、そちらを使うほうがはるかに便利だと思います。むろん、10円玉でやっても、これはこれで良いのですが……。

ちなみに八面体のサイコロ、赤が下卦、黒が上卦を示すというお約束があります。逆でも良さそうですが、そういう決まりになっているそうです。漢数字の六面体が、本書が切り捨てた「爻」を示すもので、これも使ったほうが、より本式に占うことができます。

ちなみに画像の卦は「地水師(ちすいし)」と言います。

易経六十四卦の解説

「師」は師団の師、すなわち戦争のこと。「丈人」は器の大きな人のこと。
「地水師の時、貞正でなくてはならない。実力のある司令官に率いられるなら吉。問題はない」。地水師の時は、職場でも家庭でも争い事が多く苦労の絶えない時です。この卦が出たら、集団の争い、戦争を意味するとともに、集団を動員するための大義名分と集団を率いるしっかりとした指導者が必要であることを表わします。

ちなみにこれ、或る知人から娘が試験に合格するかと訊かれて振ったサイコロでして「地水師」とはえらく物騒です。相当競争倍率の高い資格試験なのでしょうか。それとも試験合格後も蹴落とし合いの多い資格なのでしょうか。そこはなんとも言えませんが……。

当然ですが、この日記の存在を知人は知りません。知られていたら書けません(笑)

易経六十四卦の解説

師左次。无咎。
(しさじす。とがなし。)
「左次」とは退くこと。「前線から退く。問題はない」。退却も立派な戦の道です。今は一歩退いて静観すること。

「爻」まで見れば「四爻」ですから「今は退却すべきとき」と読めます。あきらかにヤバそうです。「地水師」では、よほど勉強して自信をもって臨める状況でもないかぎり、厳しいでしょう。

個人的な感覚として、本式でやるより、大成64卦だけでザクっと占ったほうが、当たる気がします。情報が多すぎると、迷って勘がにぶるのではないかと思えるのです。

いずれ時間があれば、もっと本格的にやってみると面白いのでしょうが……。

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試しに「可愛いお姉さんと仲良くできるか」と念じながら振ると、「天雷无妄(てんらいぶもう)」でした。

「無心で流れに任せていれば、落ち着くところに落ち着く」。要は「時の過ぎ行くままに」というやつです。そう言われても、周囲に可愛いお姉さんとか居たっけ?と考えてしまいますが……。少なくとも、今すぐどこかから美人さんがやってくることはなさそうです。