松村かえるの「かえるのねどこ」

旧「美風庵だより」です。

山田松香木店「鳳城香(極品)」

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焼香 鳳城香(極品) 30g入 - 山田松香木店 オンラインショップ

ベトナム産の沈香を基調として
茴香、丁字、龍脳等の香原料を用い、
かつ白檀特有の香りを調合して貴品ある
深みの香りがあるものに仕上げました。

歓喜香」と同じg数ながら、なんと値段は40倍します。

こちらもあかり香炉で最初試したのですが、うまく香りが立ってくれません。

沈香の香りにどうしても嫌な匂いがつきまといます。この状態は「歓喜香」で、熱源の温度が足らないのだろうということはわかっていましたので、あかり香炉のスタンドを1段外して、熱源に近づけるようにしてみました。

すると、ほかの香料からも香りが立ち、素晴らしい香りがしてきます。

現在、日本*堂さんの御焼香を沈香の刻み代わりに使うことが多いのですが、これはあかり香炉を普通に使っても充分香ります。ところがこれをお盆や正月に実家に持参して、火種にくべると、香りがすぐになくなってしまいます。きれいに立ちません。品物は良いはずなのに何故かと不思議でしたが、山田松さんの鳳城香がくすぶるのを眺めながら、火種できちんと香りが立つかどうかが技術なのだと気づきました。

焚きがらの溶けた樹脂が染み出た跡をみると、相当な品質の沈香を使っているのはたしかです。それでいて、火種の温度を前提に、ほかの原料を組み合わせることで、香りがしっかりと立つように計算されています。香りは、高温にさらされると鼻につきはじめる樹脂っぽい甘ったるさなどがなく、しっかりしていながら、豊かです。おそらく、高級な沈香もつかいつつ、そうでないグレードなども複雑に組み合わせているのでしょう。