松村かえるの「かえるのねどこ」

旧「美風庵だより」です。

川尻徹「ノストラダムス メシアの法」(二見書房、1988)

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ノストラダムス 暗号書の謎 - 美風庵だより

「滅亡のシナリオ」 - 美風庵だより

川尻徹さんの3冊目のノストラダムス本です(自費出版を含めると4冊目)。
初版が1988年で、当時15万部売れたとのこと。

さすがに3作目ともなるとネタ切れで小ネタが多くなってきました。
おそらくこの作品の主題は、伝染病とポールシフトで世界滅亡後、日本人の救世主「シーレン」が現れ、生き残った人々を救済するという後半のくだりのようです。この「シーレン」という単語のつづりを確認すると「CHYREN」とあります。

キーレーン - Wikipedia

オウム真理教の音楽 - Wikipedia

ふと気づいてwikipediaで検索すると、ありました。むかしオウム真理教麻原彰晃というひとがいて、彼がロシア人を雇って組織したオーケストラの名前とつづりが一緒です。
こちらは報道では「キーレン」となっていたため、すぐに気づかなかったかたも多いとおもいます。
googlewikipediaを眺めると、川尻徹さんは「オリバー君」を仕掛けた康芳夫や、オウムの麻原と交流があったようです。
独立後、病院経営に失敗した穴埋めに、確信犯でトンデモ本を書いていたのではないかという疑念をもっていたのですが、どうももっと闇が深い人物だったのかもしれません。

しかし。

詩文を構成する英単語をほぐして並べ替え(アナグラム)、自分に都合の良い単語を再創造する時点で、ふつうの神経で読むものではありません。「どこまで本気かわからん」と言われる生活困窮者の「神社めぐり」シリーズの考察でも、さすがに原資料を単語単位で並べ替えて「新解釈!」と銘打つほどの奇行はしていません。ありえない異様さを、何故かまっとう真面目に書き連ねてある馬鹿馬鹿しさを笑うのが、矢追純一さんの「UFO特番」や川尻徹さん、五島勉さんのノストラダムス本の楽しみかたなのですが……。
1993年にお亡くなりになるまで、まだ数冊ノストラダムス本があるようです。これらも機会があれば入手したいとおもいます。