松村かえるの「かえるのねどこ」

旧「美風庵だより」です。

「滅亡のシナリオ」

 

滅亡のシナリオ―いまも着々と進む1999年への道 (ノン・ブック)

滅亡のシナリオ―いまも着々と進む1999年への道 (ノン・ブック)

 

 赤貧(せきひん)です。
帰ってきたヒトラー」を読み、ふと、この本を思い出しました。
amazonで探すと中古があったので、久しぶりに手に取ってみました。
この本は、オウム真理教の麻原に多大な影響を与えた一冊として有名になり、その点のみでやたらと有名になりました。何度か復刊しています。
ただ、赤貧が思うに、べつにオウム麻原だけに影響を与えたとみるべきではないでしょう。庵野エヴァンゲリオンも、影響をうけているのではないかと赤貧は以前からひそかににらんでいます。
内容は、ヒトラーが聖書に接するうち、破滅を経て復活し第4帝国を建国する夢にとりつかれるようになり、その過程で、ノストラダムスの予言詩(いわゆる「諸世紀」)を知って、具体的に仕掛けるべきイベントの行動規範として取り入れ、それを実行したというものです。
要するに予言が当たるのは、そのとおりに行動したひとが居るからだ、という話です。
ヒトラーには影武者が2人居て、片方は実兄である。
ユダヤ人を600万人殺害したという主張の出所は、自分たちを巨悪にみせたいナチスの主張である。実際には20万人あるかどうか。
エバ・ブラウンは戦後も南米で生き延びている。ヒトラーは、実兄に成りすましてドイツ国内で暮らし、のちにアメリカに移住した。
・南極と北極に秘密部隊(ラスト・バタリオン)の基地がある。秘密部隊の従事者として選別されたのは、(虐殺されたはずの)ユダヤ人やナチスに反対して処刑された(ことになっている)人たちである。虐殺や秘密警察による処刑は、意中の人物を周囲からひきはがし秘密部隊に連れ去るための隠れみのという側面も持っていた。
・ドイツ復興と戦争遂行資金を、ユダヤ財閥(ロスチャイルド)から得ている。
というのが、おおよその著者の主張です。
 
……常識外れというか妄想全開すぎる話ですが、面白いのです。たぶん、何も知らなければ騙されそうになります。
著者はこののち、自分が経営していた病院を乗っ取られたりいろいろあったようです。ノストラダムスヒトラーにどっぷり浸からず、病院の命運をしらべたほうがよかったのではないでしょうか。