松村かえるの「かえるのねどこ」

旧「美風庵だより」です。

「鼠」

幻の総合商社 鈴木商店―創造的経営者の栄光と挫折 (現代教養文庫)
鈴木商店関係の本というと、桂芳男さんの「幻の総合商社 鈴木商店」を高校の頃によみ、なんとまあすごい男が居たものかとおどろいたものだが、この城山三郎さんの「鼠」は、また違う視点からじっくりと攻めた素晴らしい本。久しぶりに読み返してみておもうのだが、この素材は、ちゃんとドラマにしたら面白いのではないだろうか。ベンチャー企業がのしあがり、日本のGNPの1割を稼ぎ出し、三井三菱をはるかにしのぐ大企業になったとき、既成勢力がどう動くか、この点も現代につうじるものがある。