松村かえるの「かえるのねどこ」

旧「美風庵だより」です。

大黒天とは。

昨日の記事で、大黒様は破壊なのか?と、ショートメールいただきましたので、解説を。
大黒様は、インドでもともと黒雲を意味します(摩訶迦羅)。
雲は雨を降らせ地に実りをもたらす。だから農業と豊穣、財をもたらす存在なのです。
かたや、雲は荒れ狂うとえらいことになります。台風です。嵐です。だから軍神・破壊の神としても見られていた。

これがチベット時代のお姿です。

日本に伝わり、江戸時代にはこんなことになっちゃいます。
我々がよく見る大黒天の像は、この破壊の部分が江戸時代ごろには消え去り、五穀豊穣・子孫繁栄・商売繁盛の側面が強調されて残ったもの。背中に食い物がいっぱい入った袋をかついで、米俵にのっかって、何でも出てくる打ち出の小づちを持っている。
そういうことなのです。