過去に「神社めぐり」に掲載するため作成した文章です。現在ではリンク切れとなっている箇所や、すでに情報が古い部分もありますが、再取材はせず当時のまま掲載します(注記:2024.08.25)
大きい地図・ルート検索 ( powered by ゼンリン地図 いつもNAVI )
祭神は「田心姫」とされます。
なお、応神天皇生誕の地として、いまいちばん有名なのはこの糟屋郡宇美町の「宇美八幡宮」ですが、糸島市にも宇美八幡宮があり、また、現在の久留米市北野町にも応神天皇が出生した蚊田の伝承がある場所があります。
久留米市北野町赤司 八幡神社(赤司八幡宮・赤司八幡神社) - 美風庵だより
久留米市北野町大城 豊姫神社(豊比咩神社) 再訪 - 美風庵だより
少なくとも3か所あるわけです。
ただ、糸島の宇美八幡宮については糟屋郡宇美町の宇美八幡宮の所領だったという言い伝えがあるそうですから、いったんは除外します。
「蚊田」とか「賀駄」という地名の漢字にとらわれすぎると、「住吉神の妃神を祀る」和歌山の「加太」にある「淡島神社」が、神功皇后伝承の拠点の一つであることがみえなくなります。玉垂宮神秘書にあるとおり、住吉三神のうち底筒男尊とは玉垂命であり、神功皇后は足仲彦死後、その妃となります。
「現王朝側が建てた聖蹟地」と「道主貴の聖蹟地をえらんで、玉垂命が神功皇后の行宮を用意した場所」という、けっこうな問題をはらむお宮さんでもあるのです。
高良玉垂命が道主貴と称えたのは田心姫でした。
大国主(大己貴)の妃だった3人がいつのまにかまとめられ宗像三女神として天照大神の妹分となり、すっかりこういう伝承は片隅においやられてしまいましたが……。
遠い尾張の地で宗形神社の祭神が田心姫というのも、ふるい時代の名残りともいえ、なかなか興味深いものがあります。
(2023.07.15訪問)
訪問当日の様子はこちらに掲載しています。