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旧「美風庵だより」です。

北九州市門司区奥田4丁目 淡島神社


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淡島神社 (北九州市) - Wikipedia

淡島神社(あわしまじんじゃ)は、福岡県北九州市門司区にある神社である。日本三大淡島神社の一社としても称えられている。
祭神 少名比古那神を祭神とする。少名比古那神は医薬や裁縫に関係する神として知られている。
由緒 社伝によると、当社は平安時代後期の六条天皇の時代(1165年~1168年)に紀伊国の式内社である淡嶋神社から勧請されて創建されたと伝えられている。

今回初めて来たつもりでしたが、現地の急坂をみて、むかし親戚が子授け祈願に来た場所なのを思い出しました。祈願した翌年に離婚し、再婚相手の女性とは年子で2人その後に1人出来ましたから、いまにしておもえば(いちおう違う女性相手ですが)願意は叶ってはいます。

淡島神社前にしてつ時刻表 | 西鉄グループ

この淡島神社はバスの終点でもあります。

小倉市街を歩いているとときおり淡島神社行のバスが来るため、そんなに参拝客がいるのかとおもっていましたが、この日境内を徘徊していると数人あとからやってこられました。1時間に2~4本バスがあるだけのことはあるようです。

伊勢の神宮が全国規模で「御師」を組織し、いわばツアーコンダクターのはしりというべきことをやっていた時代があります。私より年配の世代なら「伊勢講」という言葉はご存じでしょう。

同じように淡島神社にも淡島願人という全国組織があったとのことで、どうやら各地にある淡島神社は、その名残のようなのです。ただ、その淡島願人が組織化されるのは江戸時代中期とのことですから、社伝どおりならこの門司区の淡島神社はそれ以前、かなり早い段階で分社されたことになります。

淡島神社社記
御鎮座地 北九州市門司区奥田四丁目九番五号
御祭神  少名比古那神
御由緒  当神社は人皇第七十九代六條天皇の御代紀国淡嶋神社を勧請すと伝う。神代の昔少名比古那神は大巳貴神すなわち大国主神と共に心を一にし御力をあわせて此の日本の国を御経営になり病を治むる薬法を御定めになり禁厭の法等を起し給い万病を癒させられ人々の患を御救いになった。そして、その尊い御神徳は世の人々だけでなく鳥や畜にまで及ぼされた。いわゆる難病苦難を御救いになる祖神様であらせられ殊に婦人の病気平癒・安産・子授けなどの祈願多く古来広範囲にわたる庶民の篤き崇敬をめ地方の総社として鎮り坐す。

現地の案内板を読んでいて、ふと気づきました。

淡嶋神社 - Wikipedia

所在地 和歌山県和歌山市加太116

淡島神は住吉神の妃神で、婦人病にかかったため淡島に流され、そこで婦人病を治す誓いを立てたとする伝承もあるが、これは、淡島が住吉大社の社領となっていたことによる後世の附会と考えられている。

応神天皇 - Wikipedia

母は気長足姫尊(神功皇后)。異母兄に[鹿+弓+耳]坂皇子と忍熊皇子がいる。神功皇后の三韓征伐の帰途に筑紫の宇瀰(神功皇后紀。うみ:福岡県糟屋郡宇美町)、または蚊田(応神天皇紀。かだ:筑後国御井郡賀駄郷あるいは筑前国怡土郡長野村蚊田)で仲哀天皇9年(若井敏明によると西暦367年)に生まれた

住吉大社神代記 - Wikipedia

神功皇后に関するもので、神功皇后が住吉大神と「密事」があり、俗に夫婦の間柄となったと、いう主旨の註記が付されている。この伝承は神功皇后と関連してしばしば取り上げられる。

玉垂宮神秘書では高良玉垂命が住吉三神の底筒男尊とされていますから、大阪・住吉大社の伝承とおおよそ一致します。そして淡島神社の元宮がある場所は加太(かだ)。

となると少彦名命(=えびす様)に関する伝承こそが創作で、応神天皇が生まれた聖地「蚊田(かだ)」の名を付して、神功皇后を祀るのが、この淡島神社であるとかんがえるのも、筋がとおります。するとここは姿をかえた聖母宮(しょうもぐう)・香椎宮であり、現在の皇統の祖である応神天皇とその母に、子授けを祈願する神社とも解釈できるわけです。

境内には、お稲荷さんや針塚があります。

とくに立派なお稲荷さんは、高徳稲荷大神と呼ばれているようです。子授けの神様らしく、御神狐像も、お子さん向けの服を着ています。

水蛭子社というのがありお参りしてみると、どうやらここ、水子供養のためのお宮のようです。

境内の御案内

正面に向かって右側の岩には、今から四千年前の古代シュメール王朝のウルク神殿に彫られている「七枝樹」(豊穣を祈る神の紋章)を中心に、大気の神、大地の神、大地母神などに「奉る」と記されている。また左側には、大地神、母神、女神などと彫った中央に、佐賀県江北町鳥屋で見つかったと同じ「燕」時代の甲骨文字らしいものが彫られている。

このペトログラフというのは重要な発見らしいのですが、さすがに石が傷み、よくわかりませんでした。説明文では、神々への祈りが奉げられているようです。

神仏習合のお宮らしく、観音堂や地蔵堂、そして奉納された仏さんや招き猫もずらりと並んでいました。

福岡県神社誌:下巻451頁
[社名(御祭神)]淡島神社(少名比古那神)
[社格]無格社
[住所]門司市大字大里字大久保
[由緒]記載なし。
[境内社(御祭神)]記載なし。
(2022.06.08訪問)