松村かえるの「かえるのねどこ」

旧「美風庵だより」です。

2024年9月10日(火)の日録。

ああ見えて雑談のメモ(2)

きちんと筋道たててまとめる気力がないため、8月31日に知人と行った雑談の記憶にある範囲を記します。裏をとる作業を省いているため内容は保証しません。

備蓄米はあんたの人気取りのためにあるんじゃありません。(下)

「これ、カリフォルニア米とか中国と真逆だったわけです。彼らは反収(一反=10アール=約300坪あたりの収量)を重視した。味より量、安くつくっていっぱい輸出する方向にシフトした。工業化で農民を工場労働者に仕立て直さないといけないから、反収増やして省力化だとやった。いま、日本の反収は彼らの7掛けとか5掛けでしょ。もうぜんぜんかなわない。じゃあ潤沢な供給目指してたくさん作るとダブついて米価が暴落する。さらに離農する。破産する。これ、制度設計がおかしいんです。こんなのやったやつの息子が次の自民党総裁選で一番人気とか終わってます」

https://www.maff.go.jp/j/syouan/keikaku/soukatu/kome_yusyutu/attach/pdf/kome_yusyutu-319.pdf

「結果、日本産は美味いけど高いわけです。高級品に留まりつづけるかぎり、量が売れないから勝負にならない。海外で勝てるわけがない。やっと円安が追い風で吹いてきたけど、それでもまだ100億円にとどきません

「日本のお米ってジャポニカ種って言うんです。長江流域が原産で、それこそ中国の南部と朝鮮と台湾と日本で食っているわけです。ジャポニカの伝播と日本への渡来ルートが似ていると発表した研究家も居たくらい。

コメの豊作を迎えたが、昨年のコメが残っており頭痛の種だ。野党は「残るコメを政府が義務買い取りすべき」として大統領が拒否権を行使した糧穀管理法を再発議する方針だ。
韓国農林畜産食品部が19日に明らかにしたところによると、今年はコメの豊作が予想される。

豊作なのにだぶつくコメのジレンマ…「ごはんが喉を通らない」韓国 | Joongang Ilbo | 中央日報

で、もし輸出攻勢をかけるとしても、韓国はお米が余り過ぎて去年のぶんまで在庫抱えてます。この冷え込んだ日中情勢で、中国が日本から米を買って支援してくれるわけがない。
あとの望みは海外のSUSHIブームだけなんです。だから、余るほどじゃんじゃんつくればいいじゃない、とはなりにくい」

「評論家なんかは反収の多い品種に積極的に切り替えるだけで倍以上収穫がのぞめる。じゃんじゃんつくって湯水のように輸出しろって言ってるひともいます」

「インドがそうです。1000万トン国際市場に輸出してます。ただ、あれって販路があるからやってるわけです。
むかし1993年の大冷害のときにタイ米輸入しましたね。インドが輸出しているのと同じインディカ種という米です。あれはジャポニカみたいに「炊く」ことが出来ない。茹でて煮汁を棄てる。湯取りをする。ところがふつうにみんな炊飯器で炊いた。くさいくさいとあちこちに食わないで棄てる。あのときタイ王室は日本の危機だからと国内備蓄までぜんぶ日本に輸出してくれた。一歩間違えば飢餓輸出です。喜ばれるかと思ったらどうやら向こうじゃ棄てられているぞと。あの記憶があるかぎり、もう日本にどんな冷害がきても米不足が来てもだれも相手しませんよ(笑)
いくら大量生産で世界の米倉庫になろうったって、こんどはあのときと逆の立場になります。世界の一部でしか食っていないものが積まれたって、味が違うならそう簡単についてきません」

「じゃあ、どうするんですか」

「大口需要家が年間契約で押さえているように、消費者も年間契約すりゃいいんです。これだけITの時代なんだから、「うちは120kg必ず買います」「60kg買います」と、事前に予約させて、それで生産計画を立てる。農家の資金調達は農協や銀行に支援させる。消費者にも前金を払わせりゃいい。作ったぶん必ず売れるんだったら、モチベーションもあがります」

「維新の会って関西でなにかやってる集団くらいにしか思ってなかったけど、M井一郎って福岡◎業大学なんですよ。卒業したの。そしてY村洋文って九州◎学法学部卒なんですよね。あんまりボロカス言うと、A生や松◎龍やエロ拓だけじゃなかったのか福岡はろくな政治家も輩出できんのかと他県から叱られる立場にあります。だからやっと本題ですがトーンを下げてください。修正がきかないと日記のネタに出来なくなる

「そんなの関係ないですよ。麻Uは学◎院、M本龍は中央◎学ですよ。あんなのに育てた東京が責任取れって言いますか?言わないでしよ。
問題はね。備蓄米ってなんなのかって話です。
基本的には米は民間市場で高く売るのが前提なんです。子鼠・ケケ中の時代にそうしちゃったから。どうしても品質的に民間市場で売れないものがある。それを市場価格より安く引き取るのが棚上備蓄の基本です。年間20万トン調達できるまで、何回にもわけて入札します。

国内産米穀の政府買入れに係る一般競争入札の結果:農林水産省

結果をみればわかるとおり、高く売りたいところはぎりぎりまで応札しません。民間向けの売れ残り具合をにらみつつ様子見するんです。2024年の調達量は17万トン。未達です。みんな安く売りたくないんです。
そして問題は、新米ばっかり珍重されるこのご時世に、5年前に政府が買いつけた20万トンを庶民が食うかという点です。5年経ったら牛や豚の餌に売る、本当に大不作で暴動が起きようかってときに「古古古古米でもいいやありがてえありがてえ。お救いだお救いだ。腹にはいればみな同じ」というためのお米です。こんなもん新米が出ようかって時期に放出したって、犬ですらまたぎます。
下々まで舌が肥えきった時代をナメてるんです。Y村は。
そしてね。子鼠とケケ中が米の値段を市場で決めるというルールを決めた以上、暴落したら翌年、米作農家、精米事業者、卸はどうやって食っていくんですか。廃業するんですか。
これがね。食管制度でもいい、農家への戸別補償でもいい、農家の皆さんの生活保障と、庶民への流通は分けて税金で調整する仕組みを復活させます、と制度の見直しとセットで言うならわかります。維新にもまともに頭がまわるのがいるじゃないかと。備蓄米出して暴落させて、翌年余ってるから単価が下がる、ただでさえ米だけ作っていても9割が赤字です。百姓が赤字にこれ以上耐えられなくなれば米を作らなくなる。それでもいいから安い米を出せいま食わせろとか、帝大出ててこの程度のあほが政治家やるな!って話なんです」

「いま、暴落しない程度に備蓄米放出したらいいとか言っている文化人とか評論家いますね。もし農水省の試算が正しいなら、売り惜しみがだいぶ残っている。値が釣りあげられているんです。新米が出る時期に、新米にこっそり混ぜて偽装して売るための手持ちがある。ここに備蓄米を出す、という決定だけで、実際には1kgすら放出しなくてもたぶん風船を針や画鋲で刺すような話になる。暴落させたらほとんど零細自営業の農家はもたない。次の年の仕入れどうするんですか。苗とか肥料代とか。用水管理の水利金納めてる地域だってある。農地の譲渡をガッチガチに法律で規制しちゃってるから、産業の集約も起きにくい。米作農家って、どっちにしてもこのままだと詰むんです。市場化に徹し農家切り棄てて外米輸入で乗り切るか、食う分を絶対確保できるよう介入管理していくか、その議論をやっていない。ただ目先でああだこうだと騒いでいるだけ。
維新なんて将来のことは考えてないですよ。目先の人気取りだけ。共産党のほうがマトモです。ながねん生き残ってきたのは伊達じゃありません。でも、共産党さん人気ないでしょ?目立ってナンボカッコいいこと吠えてナンボがこの時世だから」

「それにしても自民党が動いていないのは?」

「農家戸別補償に舵を切るにしても、完全市場化で農家整理して中国やカリフォルニア米をじゃんじゃん買う方向に舵を切るにしても、まだこの程度の品不足では中途半端なんです。そもそも戸別補償導入で生産基盤を温存するというのは、アベベが悪魔の政権と吠え散らかした民主党がやろうとした話ですからね。さすがにアレルギーあるでしょう。悪魔のほうが先見してたじゃシャレにもならない。国会に「米寄越せ」と国民が押し寄せるとか、大手の卸が焼き討ちにあうとか、そのくらいないと判断はしないと思います。政治家が襲われて犠牲になるか、農家の倉庫や農協のカントリーエレベータが各地でじゃんじゃん襲撃されるとか、そういう話聞きませんね。なんだかんだまだ本気で追い詰められてはいないんです。こういう賛否わかれるものは基本的に逃げる、後回しにする。さいきんそんなのばっかりじゃないですか。総裁選のお祭りで目くらまし。悪魔の民主党とかぬかしてたけど、五十歩百歩ですよ(笑)

 

10日の記録。

気づいたら賞味期限が過ぎていたミートボールを具にして、醤油ラーメンを朝食にいただきます。貧しみのつよすぎる朝食ですが、これも生きるがゆえの罪とあきらめるしかありません。

3月末まで常勤していた事業所に用事で伺いました。あいかわらず大自然に囲まれたのどかな景色です。

現場から戻る途中、空に雨の柱が立っています。周囲はところどころ明かりがさしているのに、交差点の向こうだけ、滝です。あとで雨雲レーダーを確認すると、どうやら一点集中で夕立がきていたようです。

現場から戻って、梨農家さんから「あきづき」という梨をいただきました。2袋から3玉だけ取り分け、残りは従兄宅に持参します。このあと一つだけ皮をむいて、ひと切れだけ神棚にお供えしました(残りはとうぜん私がいただきました)。

酸味少なめで甘さが濃く、なめらかな食感……やっぱりあきづきはいいですね。