松村かえるの「かえるのねどこ」

旧「美風庵だより」です。

大阪フィルハーモニー交響楽団 神戸特別演奏会

神戸特別演奏会 | 大阪フィルハーモニー

大阪フィルハーモニー交響楽団 神戸特別演奏会
日時:2022.7.15 (金) 19:00
会場:神戸国際会館
[出演] 
指揮:秋山和慶
ピアノ:三浦謙司
女声合唱:大阪フィルハーモニー合唱団
[曲目]
シューマン/ピアノ協奏曲 イ短調 作品54
ホルスト/組曲「惑星」

[ソリスト三浦さんのアンコール]

J.S.バッハ/協奏曲 BWV.974より第2楽章(原曲:マルチェッロ/オーボエ協奏曲)

秋山さんで「惑星」が聴ける。

それだけでのこのこ神戸まで行ってきました。

惑星 (組曲) - Wikipedia

チェレスタ、オルガン、女性合唱に4管編成。巨大(といってもマーラーの「復活」とか、ウォルトンの「ベルシャザールの響宴」とか、もっと人手をかき集めないといけない曲はあるわけですが)なので、そうそう演奏会にのることがありません。

過去に実演を聴いたことがあるかどうか調べてみると、2008年2月に九響定期でとりあげられているので、おそらくこれは聴いているとおもいます。ただ指揮が下野竜也さんとなっており、この記憶がありません。

それ以前だかそれ以降か、手塚幸紀さんで聴いたような記憶も……。

というくらい久しぶりです。そのうえ、秋山さんです。

聴かなければ、つぎはいつになるか、わかりません。

大フィルも、2008年以来です。

神戸国際会館にいたっては、はじめての訪問です。

「惑星」でどれが好きかと言われたら、1曲目の「火星 戦争をもたらす者(Mars, the Bringer of War)」や4曲目「木星 快楽をもたらす者(Jupiter, the Bringer of Jollity)」を真っ先にあげるかたが多いでしょうが、個人的には6曲目の「天王星 魔術師(Uranus, the Magician)」です。

G.ホルスト / 組曲『惑星』より「天王星」 - YouTube

ちょうどよい音源がなかったので、洗足学園のサイトから吹奏楽版のリンクを引用しました。こんな感じの曲です。どこかふざけた感じがして、最後に飛び跳ねます。前半、子分たちはひょいひょいと空を飛び回るのに、親分はだいぶガタイがいいのかよっこらしょつ、と腰をあげ、ドスンドスンと跳ね回ります。

はじめて自腹で買った「惑星」の録音がジェイムズ・レヴァインとCSOのもので、当時「優秀録音」として話題となったものでした。これ録音は優秀ですが、演奏そのものは大暴れには至りません。天王星もどこかすっきりとしており、最後に「海王星 神秘なる者(Neptune, the Mystic)」があることを意識してか、押さえています。

今日の演奏は、ここを「鳴らせ鳴らせ」とやるため、じつに気持ちよく聴けます。

前半の「火星」や「木星」で、せこせこせず、腰を据えて鳴らせる路線だと気づいていても、目の前できっちり決まると非常に気持ちがよいものです。ついニコニコしてしまいます。

最後の「海王星」、舞台にへばりつく位置だったせいか、女性合唱の天から降ってくるようなイメージがあまりなかった(舞台が近すぎて袖のどのあたりかが聴いていてわかる)のが残念でしたが、曲の解剖をしている気分で、これはこれで楽しく聴けました。

合唱は隣接する部屋に配置し、その部屋のドアは曲の最後の小節まで開けたままにして、ゆっくり静かに閉めること。合唱、ドア、そして必要と思われる副指揮者は、聴衆からよく見えないようにすること。

ホルストさんは、舞台裏と舞台のあいだのドアでうまいこと神秘的な合唱をフェイドアウトさせろと楽譜にかいておられますが、音響効果は当時のコンサートホールといまのコンサートホールで必ずしも一致はしませんし、いろいろ試してもバチはあたらないとおもうのですけどね……。

 

youtu.beシューマンのピアノ協奏曲は、洗足学園のサイトに秋山さんが指揮した別の演奏があります。また、中部フィルハーモニー交響楽団のサイトには自主制作盤があり、基本的な流れはおなじなのですが、ソリストが違えば、とうぜん曲の雰囲気もかわります。

こまやかな哀しみというより浪花節?っぽい感じに歌いこまれ、秋山さんもそれに呼応していくので、じつに感傷的なシューマンです。

こういう泣きのある演奏っていいですよね……のこのこ神戸に出てきた甲斐がありました。

 

「こくさいホール」は今回初訪問でした。1999年開館とのことで、アク*ス福岡と4年ちがいなのですが、どこぞやのホールよりはるかに良好です。

人口が神戸を抜いた京都も抜いた、これからも大発展だとかなんだとか景気のよい話してますけど、圧倒的に「ハコの質」が負けてるんですよね。まだまだ、追いつく背中は遠いということか……。

 

7月はあと2回、演奏会に行く予定です。

8月はおカネ稼ぎのためお休みして、9月に京都まで行けるかな……とかんがえています。

関西の音楽大学オーケストラ・フェスティバル (@kansaiondaifes) / Twitter

相場で儲からなければ交通費でませんので、現時点ではなんとも言えませんが。