松村かえるの「かえるのねどこ」

旧「美風庵だより」です。

1月22日の日録

あさないふる

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「地震」と書いて「ない」と読むことがあります。

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ひとひらの雪(上)

渡辺淳一さんのエロもとい不倫もとい恋愛小説「ひとひらの雪」は「明方、朝地震(あさない)があった」ではじまります。当時、地震を「ない」と読むという知識がなく、おもわず辞書をひきながら、作家の知識に感嘆しつつ「明け方」に「朝地震」って朝が2回来てるじゃないか、編集も校正も文句言わなかったのか?と感じたものです。

しかし、冒頭からいきなり突っ込みがはいると記憶に残るもので、いまだに覚えています。おそるべし。

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地震情報 2022年01月22日 01時08分頃発生 最大震度:5強 震源地:日向灘 - 日本気象協会 tenki.jp

夜中に地震がありました。ふと揺れたか?とおもって目を覚ますと、市が設置している防災無線から緊急地震速報が流れます。その数秒後、ゆらーり、ゆらーりと揺れはじめました。震源地が近いときは、ガタガタと小刻みに激しく揺れるのですが、こういう揺れかたのときは、遠方です。

いったいどこかとiPhoneで日本気象協会のアプリを確認すると、画面が真っ白のまま進みません。しばらく待って再びアプリを起動すると、日向灘と表示されました。我が家にはなにも異常はなかったのですが、コンクリート塀が壊れたり、物が落ちてきたり、いろいろと被害があるようです。

日録

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求職活動のため、コロナ感染爆発中の福岡市内に向かいます。

まだ暗いなか、6時58分の博多駅行バスに乗るため、家を出ます。歩いても10分かからずバス営業所に到着するのですが、途中、コンビニでコーヒーを買うため、はやめに出ます。

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から揚げ付・中華風五目うま煮定食 | メニュー | やよい軒

知人事務所近くのやよい軒で、定食をいただきました。朝から豪勢すぎる気もしますが、今日のスケジュール的に昼飯は15時を過ぎますので、朝から詰め込んでおきます。

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時間の合間をみて、19日に見落としていた神社2社を訪問しました。

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今回の徒歩距離は、GPSのログで1.7kmほどでした。

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福岡空港周辺の「神社めぐり」を作成していて、自分の頭を整理するため、これまで千社近く訪問して推定した系図を作成してみました。

わざと感染?

「ワクチンパスを受けようとわざと感染」チェコ女性歌手、腰痛10分で死亡(中央日報日本語版) - Yahoo!ニュース

ワクチン反対論者であるチェコのある歌手がワクチンパスの発給を受けるためにわざと新型コロナに感染して死亡した。
19日(現地時間)、BBCなど外信は16日チェコの女性フォークソングシンガーのハナ・ホルカ(Hana Horka)さんが新型コロナ関連の合併症で57歳で亡くなったと報じた。
チェコは昨年11月22日から「ワクチンパス」を適用したことを受け、ワクチン未接種者の劇場、美容室、スポーツジムなどの利用が禁止された。ワクチンパスはワクチンを接種したり新型コロナに感染して回復したりすれば発給を受けることができる。
ホルカさんは新型コロナワクチンに反対してきた「ワクチン反対論者」だった。

なにを考えてるんでしょうね。反ワクチンのひとって。

「ワクチン不要論」信じる人があまりに危険な訳 | 健康 | 東洋経済オンライン | 社会をよくする経済ニュース

「感染パーティ」という言葉を初めて聞いたときは驚きました。おたふくや水ぼうそうなどの感染症は、ワクチンで抗体をつけることで感染を予防できます。しかし、ワクチンは副作用が怖いと思っていたり、人工物なのでなんとなく不安があったりする保護者が、周囲に感染症にかかった子どもが出たときに、自然に感染させて抗体をつけようと子どもたちを連れて集まることを感染パーティというのだそうです。
実際に外来で「うちの子がおたふく風邪になったので、お友達を呼んで感染パーティをしました」という保護者の話を聞いたことがあります。お子さんの熱が下がったので治ったかどうかを確認するために受診されたのです。
「みんな症状が軽かったんです」とうれしそうに話される保護者の方に、「それはたまたまラッキーだっただけです。お友達が感染して苦しんだり、後遺症が残ったり、亡くなったりしたかもしれませんよ」などとお話ししましたが、特に何かを感じることはないような様子でした。

むかしこの記事を読んで知人の看護婦にLINEしたところ、ほんとうにそういう親は存在するそうです。「ドン引きした」と返事がありました。

おそらく、これと似た思考で、自らコロナに感染しちゃったんでしょうね……。

アホとしか言いようがありません。

「共産主義黒書〈ソ連篇〉」

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共産主義黒書〈ソ連篇〉 (ちくま学芸文庫)

1917年の革命によって生まれた史上初の共産主義国家“ソ連”。レーニン主導のボリシェヴィキは、国内の権力基盤を固めるべく、白軍や農民との戦いを開始する。そこでなされた仮借ない暴力と抑圧のサイクルは、やがて後継者スターリンにより大量殺人・テロル・強制収容所を軸とする統治形態へと高められることとなる。前代未聞の犠牲者数を出すに至った政治の淵源には果たして何があったのか。長きにわたり隠されてきた共産主義の犯罪を数々の資料から白日の下に曝し、世界に衝撃を与えた書。本篇では、ソ連史の中心を占める暴力の全過程を扱う。

帰る途中、立ち寄った紀伊国屋書店福岡店で発見し購入しました。店内で電子版がないかどうか検索したところ、電子版は出版されていないようでした。久しぶりの紙の本です。

学校と社会・子どもとカリキュラム (講談社学術文庫)

民主主義と教育〈上〉 (岩波文庫)

私はたまたま高校だったか中学だったかのころに「学校と社会」「民主主義と教育」といったジョン・デューイという哲学者の本に触れる機会があり、いわゆる「プラグマティズム」という思想を重視してきました。

理性の腐蝕

それが大学院に残っている年上の連中には気に入らなかったらしく、大学生だったころ、マックス・ホルクハイマーの「理性の腐食」を読めとしつこく言ってきました。どういうものかとおもって読んでみると、まったく理解できない代物でした。

ホルクハイマーが「理性」と呼ぶものはいつの時代も不変に存在しうるもので、個人一人一人が自由に道具として扱えるものではない、というわけです。現状を「理性の腐食」と表現し、なげいてみせます。

もう少し言うと、世の中には正しいことは厳然としてあり、個々人があれこれ議論し、あっちやこっちを試しながら解決していくようなものではない、こんなのは思想でもなんでもない、社会が腐る、と書いたわけです。

こんなものを薦めてきた連中に、どんな本が書棚にあるかを尋ねると、だいたい共産主義関係の本です。あきれました。

「正しいことが厳然として存在する」とさきに規定するから、正しくないものは殺すか収容所送りにするしかなくなるのです。そんなものはありません。文明が高度に発達してナチズムになぜ到達してしまったかを考えるのはけっこうですが、ナチズムだけが粛清しまくったわけではありません。

自分が正しい従わないやつは間違っていると行きつくから、粛清しまくらないといけなくなるのです。自分も他人も正しいかもしれないと教えることが、どれだけ重要か、わかっていません。アホです。

あまりのアホさ加減に、その後、彼らには寄り付かないようにしました。いまごろなにをしているでしょうね。

ふと、書店で表紙をながめ、手にとってはぐりながら、大昔のことをおもいだしました。