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一般的な玉垂宮の御祭神は、高良玉垂命(表舞台では武内宿禰が身代わり)、住吉大神、八幡大神(通説では応神天皇)とされています。ところがこの侍島の玉垂宮は、住吉大神の代わりに少童三神(わだつみさんしん)が御祭神です。
ではこの少童三神とは誰のことなのでしょうか。玉垂宮神秘書によれば、初代住吉大明神である鵜葺草葺不合命(うがやふきあえず)の実子3人(安曇磯良、豊姫、大海姫)を指すとしています。安曇磯良は、住吉三神の表筒男尊でもあり、現在も末裔のかたが大川市の風浪宮の宮司をされておられます。さらに長野に安曇野という地名があることからもわかるとおり、全国各地に進出した海洋民族でもあるのです。
ということは、この玉垂宮は、その性格を負っていると考えてよいでしょう。
通常の玉垂宮を見る際、住吉大神には(玉垂命に神器を継受した)鵜葺草葺不合命を充てるとみるものですが、この神社については、その長子であり表筒男尊こと 安曇磯良を充てると考えるべきなのかもしれません。
社頭の鳥居が両部鳥居なのも、地元の方がこの点を意識されていたのでしょうか。両部鳥居は、安芸の宮島 厳島神社の例でもわかるとおり、海沿いの軟弱地でこけないようにするために編み出されたものです。いつしか、海に関係した神様を祀る神社のシンボルとされるようになりました。
そういう意味では、この侍島の玉垂宮は、よく伝統を残した立派なお宮なのです。
福岡県神社誌:下巻49頁
[社名(御祭神)]玉垂命神社(武内宿禰、少童三神、応神天皇)
[社格]村社
[住所]三潴郡木佐木村大字侍島字宮ノ脇
[境内社(御祭神)]須賀社(素戔嗚命)、日吉神社(大山咋命)
(2021.02.27訪問)