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西鉄「針摺」バス停の隣にある神社です。日頃から見かけてはいましたが、今回が初訪問になります。福岡県神社誌では、埴安命こと大幡主(博多のお櫛田さん)と高木大神(高皇産霊神、英彦山)を祀るとあり、なかなかスリリングな配神です。どうやら、高木大神はほかの集落にあったものを明治45年(1912年)に合祀したものらしく、後世の合祀ならまだ理解できます。
境内をぐるりと一周すると社殿向かって左わきに、「大行事」と彫られた石碑があり、これがどうやら高木大神のようです。となると、本殿には、通常の地禄天神と同じように、埴安命こと大幡主だけが祀られていることになります。
「縁結び」とわざわざ彫った石碑があるのが気になります。その背後に2つ石碑が並んでいるのですが、読めません。おそらく夫婦神を祀ったもので、それ故に縁結びなのでしょうが……。猿田彦と天細女(あめのうずめ)でしょうか。それとも大幡主と天照大神(卑弥呼)……いやいや想像で語るのは止めておきましょう。
隣に仏堂があります。内部に御真言として「おんころころ せんだり まとぎ そわか」とあり、これが薬師如来像であることがわかります。つまり境内社の薬祖神社とは、この薬師如来様を神社にこじつけて申請したものなのです。
しかし、せっかく地禄天神=埴安命こと大幡主(博多のお櫛田さん)と御祭神が受け継がれているのに、なぜか本殿の屋根は梅鉢紋……。こういうのを見ると、やはり意地でも(大幡主含め)現皇室以前の支配層を抹消しようとしてきたことを感じざるをえません。歴史は勝者がつくるとはよく言ったものです。
福岡県神社誌:中巻64頁
[社名(御祭神)]地禄天神社(埴安命、高木神)
[社格]村社
[住所]筑紫郡山口村大字針摺字下天神林
[境内社(御祭神)]薬祖神社(少彦名命)
(2020.09.26訪問)