美風庵だより

幻の花 散りぬ一輪 冬日の中

成功しないといけないのだが、出来るかどうか?

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自治体システム等標準化検討会」を総務省が開催しています。
この検討会の要綱の「目的」をそのまま引用します。
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自治体の情報システムは、これまで各自治体が独自に構築・発展させてきた結果、その発注・維持管理や制度改正対応などについて各自治体が個別に対応しており、人的・財政的負担が生じている。特に人口規模が一定以上の自治体については、同一事業者のシステムを利用する自治体間でもシステムの内容が異なることから、LGWAN等の共通プラットフォーム上のサービスを利用する方式への移行の妨げとなっている。さらに、自治体ごとに様式・帳票が異なることが、それを作成・利用する住民・企業・自治体等の負担に繋がっている。
また、中長期的な人口構造の変化に対応した自治体行政に変革していくためにも、自治体の情報システムに係る重複投資をなくして標準化・共同化を推進し、自治体行政のデジタル化に向けた基盤を整備していく必要がある。
こうした状況を踏まえ、自治体行政のデジタル化に向け、自治体の情報システムや様式・帳票の標準化等について、自治体、事業者及び国が協力して具体的な検討を行う。
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また、総務省の配付資料(事務局提出資料)には、
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自治体は、システム更新時期(5年程度)を踏まえつつ速やかに導入し、遅くとも2020年代に、各行政分野において、複数のベンダが全国的なサービス(例:LGWAN-ASPサービス)としてシステムのアプリケーションを提供し、各自治体が原則としてカスタマイズせずに利用する姿を実現
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とあります。
 
マイナンバー導入の際、国の審議官が講演で「高齢化と人口減で地方公務員200万人を食わせていくことはできない。合理化しつつサービスを落とさないための制度」と言っていました。まだ前の仕事場に居たころでしたが(これから地方公務員は受難の時代になるのだろうな)と感じたのを覚えています。
資料を一読すればわかるとおり、重要なのは「標準仕様書に基づいて複数ベンダー製品の競争環境を確保する」という点です。資料では「巨大なベンダーロックインを防ぐため」と理由が書かれていますが、これを信じる馬鹿はいないでしょう。
1社に絞り込めば他社はお父さんしてしまいますから、事実上OEMの販社として生き延びよ、という意味です。そこまで標準化できなければ、まったく意味がありません。いまはクラッチやアクセルの配置まで含めて自主性を競っている状態です。それをやめよということ。

この検討会資料もだいぶ踏み込んでは居ると思いますが、高齢化・人口減への処方箋としては、過渡期の対策だと感じます。市町村や県という枠組みをそのまま残すより、窓口法人の設置といった抜本的な構造改革が必要です。赤貧が住んでいる地域は、クルマで30分もあれば佐賀県との県境にラクラク到達しますが、これが同じ県内でも大牟田豊前、小倉ともなると30分では到達しません。県という枠も住んでいる場所によっては、足かせとなりえます。

郵便局でも銀行でも、一般的なサービスはどこの支店に行っても受けられます。おそらく、これからはそういう時代になるべきなのです。

たとえば地方税共通納税システムを拡張して、税金や料金の窓口を一本化し、各地公体が多様な収納手段を自腹で準備するのをやめさせるべきだし、親の通勤圏を考えれば、広域保育が当たり前にしなければ、意味がありません。要は、市町村も都道府県も社畜もとい給与生活者にとっては、すでに狭いのです。

市町村に残る事務は、こういう広域化・共同化ができないもの、地域に根ざすものに限定するべきで、国がほんらいナショナルミニマムとして提供する事務に関しては、国≒窓口法人>県>市町村といった関係に再構築しなければ、合理化なんてできません。

国税から地方交付税で再分配し直す仕組みもやめて、国税・県民税・住民税をそれぞれ別個に累進課税で徴収する仕組みとすれば、地公体は必然的に住民の囲い込みに必死にならざるをえません。

国政選挙も小選挙区ではなく、純粋比例代表中選挙区制にする判断も必要になるでしょう。ナショナルミニマムに関しての第一の窓口は国会議員になりますから、多種多様な意見をさらに取り入れていくことが出来る制度でなければなりません。

結局、簡略化とは動く人を減員することであり、減員されたなかで労働時間の制約をクリアするための方策をかんがえることです。

災害復旧事業も、地公体職員を互いに派遣してある程度の流動性は確保できるかもしれませんが、あくまでも派遣先の市町村という枠にはめ込むため、都度、ローカルルールとのすりあわせが発生します。たとえば水資源公団のように、全国規模で人事異動を行う技術者(匠)を確保して、彼らのなかで設計・発注・完了検査を完結できるようにしたほうが、はるかに専門性の高い仕事ができます。むろん、これも全国金太郎飴を前提にしないといけないのですが。

縮小社会を上手に縮ませないと、次世代の再度ふくらむ機会を失わせてしまいます。

おそらく、市町村という現行の枠組みを維持する方向で議論をすると、いくら末端行政といっても地公体のはしくれですから、プライドもあるし、議論はうまくいかなくなるでしょう。

資本主義なのだから、時代遅れのものは退場させればよいのですが、なぜか公共となった途端に、新陳代謝の枠外になってしまいます。
公共が資本主義の足を引っ張るのであれば、取り壊すしかありません。