11月3日、コンビニでくじ引きをしたところ、レッドブルの355ml缶を引き当てました。
じつはこれまで飲んだことがありませんでした。この手のエナジードリンクは、カフェインが多いので、ろくなメにあいませんから……。
そのことを忘れて、寝る前にうっかり飲んでしまい、中途半端な時間に目覚めてしまいました。
メールを確認していてふと気づき、聞香炉の使いかたを書いてみることにします。
むろん、赤貧はどこかの流派で修業したわけではありませんので、沈香の香りを確認するために勝手にやってきた方法です。ご了承ください。
並火道具: 香りを深める お香の専門店 松栄堂ウェブショップ
みやこ炭 A: 香りを深める お香の専門店 松栄堂ウェブショップ
見やすいよう、コピー用紙を敷いて、その上に道具を並べてみました。
火箸、鋏、灰押はずっと使えるものですから、安物でも専用品を買っておくことをおすすめします。実際、なにかほかのもので代用しようとしても、似たようなものは意外と見つからないものです。
炭は、香炭団という専用品がありますが、ひとりで沈香の香りを楽しむために使うには、少々、炭が大きすぎます。マッチで着火できますし、お焼香用の小さいものでまったく問題ありません。
左下にあるガラス板っぽいものは「銀葉」という雲母板です。
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まず、灰を火箸でほぐします。空気をしっかり含ませます。
赤貧はマッチを使っていますが、炭に火をつけて、充分に火がまわるまで、灰の上に放置します。
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その間に、沈香の分割(約1cm四方に割ったもの)から、カッターナイフで今回楽しむ量を切り取ります。まず、木質の筋にそって細く割り、さらに小さくカットします。だいたい、1mmくらいです。
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炭に火がまわったら、そのまま埋けこみ、灰押さえで周囲を円錐状に成型していきます。炭の熱が直接香木に伝わらないようにします。炭を埋けこむ深さで、加熱する温度が決まります。
このとき、真ん中に火箸を立てて、熱があがってきやすいよう火穴をつくるのが本式ですが、赤貧は比較的浅めに埋けて火穴をつくらないようにしています。いま使っている香炉のサイズ的に、そのほうが柔らかく香気を楽しめる時間を長くとれるからです。
最後に、銀葉に沈香をのせて、顔に近づけて香気を楽しみます。
ひと手間ふた手間かかる面倒なもので、線香に火をつけるよりはるかに時間がかかります。画像の下に表示された時刻をみればわかるとおり、香りを楽しめるようになるまで、約10分かかります。そのかわり、ほんの少量で沈香の香気を楽しめ、熱のつよさによる香気の変化を確認することができます。
こまかい香気を確認するには、線香や焼香では温度が高すぎるのです。
和の香りに興味をもつと、どうしても沈香を避けてとおることはできません。
沈香は産地や個体で香りが異なり、同じ個体でも切り分けた部位でまた違います。小説や音楽作品を楽しむように、ひとつの物語として楽しむことができるのです。香木の物語を楽しめるのは、聞香だけです。これは、線香や焼香にはない世界であり、和の香りに興味があれば、安物でよいのでひととおり道具をそろえておくことをおすすめします。