美風庵だより

幻の花 散りぬ一輪 冬日の中

「第九と四季」2018

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tokyosymphony.jp

赤貧です。今年で最後となる「第九と四季」の最終日を聴きました。

すでにCDとなっている2016年の演奏とも、昨年聴いた演奏とも違う第九で、最終回ということを意識しているのか、じつに熱のこもった演奏でした。もともと秋山さんの第九は、きちんとメロディーを歌わせてひとつひとつの音がくっきりと判るのが特徴ですが、今日のものは、さらにそれに情熱がこもっています。演奏家も燃えているが、なにより指揮者が熱い。

冒頭から最後まで、じっと座っているうちに、あっという間に終わりました。ある種、古くさいスタイルではあると思うのですが、それだからこそ伝わるものがある演奏でもあるのです。

客席も最終回の「第九と四季」ということで満席でした。2割ほどのお客さんが、合唱団が退出するまで拍手をつづけます。赤貧は拍手せずじっと立っているだけでしたが、まだ学生の頃から聴いてきましたが、いくら秋山さんと言ってもまさかこの境地に達するとまではおもわず、これだけの第九を聴いたのはどれだけぶりだろう?と考えてしまいました。

同じ「蛍の光」でも、朝比奈さんと大フィルの「第九の夕べ」は舞台も暗くなりしめやかに終わり、秋山さんと東響の「第九と四季」は、逆に歌謡曲ばりに盛り上がる編曲で終わります。個人的には大フィルのしめやかに終わるほうが年末の締めっぽいとおもっていました。湿っぽく終わりたくないのはわかるが、NHKの歌謡番組っぽいあの編曲はどうにかならんものかと、昨年までは考えていたのですが、今日、秋山さんの合図で客席から蛍の光を口ずさんでみると、今年で最後ということもあってか、これはこれでしんみりとくるものがあります。

プログラムを読むと、秋山さんのインタビューが掲載されていました。

「オーバーな表現をそぎ落として、現代に通じる奏法で、お客さんにいいねと言ってもらえる古典の演奏をしたい」と。

じつは来年12月にミューザ川崎で第九をやることが決まっています。

来年も聴き逃せません。飛行機代を頑張って稼がねば。
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「第九と四季 2018」
指揮&チェンバロ秋山和慶
ヴァイオリン:辻彩奈
ソプラノ:中村恵理
メゾ・ソプラノ:藤村実穂子
テノール:西村悟
バス:妻屋秀和
合唱:東響コーラス(合唱指揮:安藤常光)
 
曲目
ヴィヴァルディ:協奏曲集「四季」~春・冬
ベートーヴェン交響曲第9番ニ短調作品125「合唱付」
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