美風庵だより

幻の花 散りぬ一輪 冬日の中

といちの奈良漬


なんとレッドキャベツで見かけたので買ってみました。
まだ大学生のころ、ユニードダイエーで取り扱っていた記憶があります。ここ数年、違うメーカー(忠勇)のものばかりスーパーで見ていましたので、まだあったのかとしょうじきビックリしました。
このくらいの普及品ともいうべきものは、瓜が国産ではなくインドネシア産で、味の含みはよいのですが、歯ごたえに難があります。ただ、このくらい甘口で染み出すほど味がついていれば、美味いと感じるむきも多いでしょう。赤貧としては、もっと塩を利かせて下漬けをし、粕を何度も替えて真っ黒になるまで漬け込んだ歯ごたえのよいものが好みですが、時代の流れかもしれません。
九州は、こういう踏み込み粕にみりん粕をブレンドして何度も粕を替えながらじっくりと漬け込むものだけでなく、新粕に砂糖や調味料をまぜてかるく味をつけるタイプのものが普通に売られています。どちらがよいかは嗜好の問題ですが、この違いはなんだろうと考えるとき、九州は砂糖が手に入りやすい場所だったという点は、考慮すべきだという気がします。
みりん粕や踏込粕をもちいて甘味をつけるやりかたに頼らなくても、砂糖が使えれば簡単に味をととのえることができる点は、大きかったといえるでしょう。そのかわり、酒のつまみには良いけれど、ごはんに合わせる漬物としては絶望的にあわない新粕漬がふつうに出回る地域になった理由も、おそらくこの点にあります。