美風庵だより

幻の花 散りぬ一輪 冬日の中

東京交響楽団第648回定期演奏会



プログラム発表後、ずっと楽しみにしていた演奏会でした。
名曲揃い。
矢代秋雄のピアノ協奏曲は、たぶん実演に接するのは今回がはじめてです。
フローラン・シュミットの「サロメの悲劇」は、2009年以来。
1月14日、上京してまいりました。
昨年の1月16日にチケットを手配しましたから、1年待っての期待のコンサートです。
 
サントリーホールは、2000年3月のラッヘンマン以来ですから、もう16年、遠ざかっていたことになります。
当時は、大阪 ザ・シンフォニーホールと並ぶ名ホールだと思っていましたが、ミューザ川崎が出来てみると、サントリーホールは聴く位置で出てくる音が違いすぎるし、そのフォローが出来ていない点で、とうとう追い越された、という気がします。
 
矢代秋雄のピアノ協奏曲を録音や放送で聴いたときには気づかなかったのですが、フローラン・シュミットの協奏交響曲の影響が相当ある気がします。矢代作品はある種の無国籍料理だとばかり思っていたけれど、じつのところ、フローラン・シュミットがラヴェル以前のいろんな潮流をぜんぶ総括してみせた延長にあったんじゃないか。しかも、シュミット流のなんでも豪華豪勢に鳴らしてしまう曲作りより、ずっと内省的に。この内省的に、というところが、矢代秋雄の個性だったんじゃないか。
それにしても、秋山さんと東響のつくる伴奏に意味がある。とうぜん、ピアニストも素晴らしいのだけれど、録音をぼんやり聴いていたときには思いもしなかったところで、音の意味を伝えてくれる。
 
サロメの悲劇」は、作曲者が編曲したピアノ独奏版、ピアノ連弾版もあり、曲の骨組みを知るにはこれで充分なのですが、管弦楽版を聴かないと、シュミットの豪華豪勢なオーケストレーションの醍醐味は味わうことができません。
今回の演奏は、シュミットのなんたるか、印象主義ラヴェルからストラヴィンスキーに橋渡しをした彼の存在のすごさを見せつけるものでした。
ただ、同じ彼の作品で「協奏交響曲」や「詩編第47番」といった、もっと名が売れていい曲も、とりあげて欲しいとおもいます。いちど東響に、そういう要望をメールしてみようかな。

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http://tokyosymphony.jp/common/tso/images/pdf/concerts/20170114.pdf
第648回定期演奏会
サントリーホール
2017年01月14日(土)18:00開演
指揮:秋山和慶
ピアノ:小菅優

曲目
メシアン:交響的瞑想「忘れられた捧げ物」
矢代秋雄:ピアノ協奏曲
フローラン・シュミット:バレエ音楽サロメの悲劇」作品50

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