美風庵だより

風にちる 花のゆくえは 知らねども

佐村河内守「交響曲第1番」

CDとおしでいちど聴き、その後、通勤の行き帰りに聴いているのですが、悪くないです。これ、なにも問題ないじゃないですか。
まあ、現代のベートーベンかと言われたら、それはないと思います。ロマン派なんだけど記憶に残りやすい旋律があまりになさすぎる。では、ダメか。そんなことはない。naxosが教科書でとりあげないような作曲家のCD出してますけど、少なくともああいう、マイナー作曲家のレベルには到達している。これ自体、本当はすごいことなんです。ハンス・ロットとかカリンニコフとか、ああいうレベルだったら、たぶん肩を並べると言っていい。
劇の伴奏みたいな主題が並ぶなか、循環主題をもちいて全体に統一性をもたせる。小説で言えば、通俗小説や中間小説なんだけど、作り手の技量と細工は本物。だから、純音楽ではないんだけど、交響曲として成り立っている。
えらいことじゃありませんか。三枝成彰吉松隆が騒動のまえ、褒めていたのがわかります。みんな、だれが聴いても感動できる「名曲」書きたいでしょ?我慢しなくていいんだよ?と訴えてきたこの2人、そりゃあ、褒めるはずです。三枝成彰さんの「忠臣蔵」なんて、現代にこれ?ってびっくりするくらいロマン派でしたもん。あれ並の確信犯です。
たしかに、こんな劇の伴奏を継ぎ合せたような曲で、「中の人」だった新垣さんも褒められたくないのは、わかる。でも、じっと聴いてて素直に感動に至る手法が、いくら使い古されたものであっても、しっかりと出来てるんだから、いいじゃないか、とも思うのです。
まともな曲で、びっくりした。