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やっと終わった。
湊川の合戦の前後を、楠公と尊氏のやりとり、その間に使者として立つ一色右馬介、このあたりを中心に2時間くらいのドラマ?映画?にしたら、なかなかよいお話になりそうな気もしなくもないが、果たして白骨累々積みあがる虚々実々の殺し合いのなかの男のロマンなどとというものを、演じきれる役者が居るだろうか?(゜゜)そこが問題だよなあ。
後醍醐天皇が死んだあと、室町幕府内の内紛でどんどん仲間討ちしていく姿は、正直、読めば読むほど興ざめに近い部分で、つらい。
三国志は、星落秋風五丈原で上手いこと打ち切ったのになあ、なんでこんなもん書くかね?と思いつつ辛抱して読むと、最後に「黒白問答」。
最後、
「四十余面の琵琶は、ただ松風と浪音の宇宙のひびきを一せいに奏で出し、連れて、笛はさけび、つづみや太鼓もまた、清次のすがたをかりて地上の人みなの平和の願いを打ち囃すがごとくであった。なんらの違和もない不思議な楽のあらしとなって。いつか外には外で小鳥のさえずりがしはじめている。小鳥の世界だけでない人間界の夜明けもついそこまでは白みかけている朝かのような今朝であった」
観阿弥が舞い、覚一検校以下40人で琵琶の合奏。最後まで読んで、ああ、こういう時代の幕開けの物語だったのかと気づいた次第。
これが序章で、クライマックスが戦国時代なわけですよ。ええ。
ああ、なるほどね……(゜゜)群雄割拠の先触れの時代だから、こんだけ合従連衡やりたい放題になるわけだ。
なんか、世の中そうなりそうな雰囲気ではあるよな。怖いこわい。本当にそうなったら、おいらも兼好法師を見習って隠棲するしかないな。
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- 作者: 吉川英治
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 1990/04/23
- メディア: 文庫
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