松村かえるの「かえるのねどこ」

旧「美風庵だより」です。

2024年9月30日(月)の日録。

なんとなく雑談のメモ(4)

きちんと筋道たててまとめる気力がないため、9月15日と16日に知人と行った雑談の記憶にある範囲を記します。裏をとる作業を省いているため内容は保証しません。

古古米を食う訓練を

「子供のころ、近所で何人かいたんです。
農家に嫁に行くとさぞやいい飯を食っているだろうと思い込んでいるかたがいたんですね。
世間一般はどうか知らないけど、少なくともうちの近所の集落は、だいたい古古米です。
自宅用に取り分けておいて、古いのから食うと自然に古古米くらいになるんです。それ以上はさすがに古くならないよう、新米から取り分ける量を調整します。
農家にとって米は貴重な商品ですから、少し考えればいちばんいいところを自分で食うなんてありえないわけです」

「でも、古古米なんて食えたもんじゃないでしょ」

「籾すりして、外側の殻をとった玄米で保管するわけです。いまは温度調整ができる保管庫もあるけど、当時は常温でしたから、時間がたつにつれて精米しても米が黄色く濁ってきます。殻がついたまま保管して都度籾すりするという手もあるんでしょうが、当時の籾すり機って発動機、要はクランク回してディーゼルエンジンを始動しなきゃならないから、しょっちゅうやるなんてとても無理なわけです。精米機はモーターなんで分電盤触れば動き出すけど、籾すり機はさすがに難しい。
高校のころまで、古古米だから味が落ちているって気づかなかったんですね。外で食うとめしが美味いわけです。てっきり世間は超高級な品種の米を食ってるんだろうと思ってた。
古古米って変質しているから白飯というより、クリーム色になるんですね。そして甘くない。あと、くさい」

「個人が常温で保管するのとはわけがちがうから、さすがにそこまで劣化した米が市場に流通することはないでしょう。でも、世間の新米信仰は根強いから、かりに低酸素状態で保管したものであっても、新米でないというだけで、価値が減る」

「近所で、非農家から農家に嫁に来たかたが居たわけです。古古米がさすがに喉をとおらないんですよ(笑)私のようなネイティブみたいに餌と割り切って食う訓練を子供のころから受けてきたわけじゃないから。で、新米がどこに保管されているか在りかはわかるけど、精米機を動かそうにも操作手順を知らないし、ぬかが出るから動かしたのがバレる。こっそり米屋なりスーパーなりでお米を買って、実家だか妹の嫁ぎ先だかに持ち込んで食ってたそうなんです。すると、実家にバレるわけですね。
まともに嫁ぎ先で米も食わせてもらえないのか、いじめられてるんじゃないかと騒ぎになる。
で、現金収入を得るための商品だから売れ損ないしか食わないと農家の親父が説明しても、給与生活者は理解しないんです。そこのお父さんやお母さんが製造業や小売業に勤めてるなら、売り物に手を付けるというのがいかにアホな行為か理解しやすいんだろうけど、学校とか銀行じゃ、そういう発想がわからない」

「で、どうなったの」

「そこはもう米をつくってません。ある料飲店と契約して野菜つくってます。大根とかごぼうとか。米は近所の親戚から買ってるって言ってました。もう古古米なんかぜったい食ってないと思います。
この円安で海外から買い付ける食い物の値段がごっそりあがったら、ほかの食い物に手が出なくなった貧乏人がこぞって米を食いはじめたわけです。おかずを減らしてめしを食おうって動きが出たとたん、かんたんに流通がショートする事態になった。
ずっと、高く売れる美味い米をつくるのが目標になって、海外、とくに中国やカリフォルニア米のような反収の高い品種を導入するのは厳禁だった。これ、国が主導して供給量を絞って米価を釣り上げてきたわけです。この路線でやっていく以上、いずれこうなる日が来るのはわかってた。
ここで台湾有事があったらどうなりますか。
海外からいよいよ食い物なんて手に入らない。米の買い占めがおきるでしょう。でも、精米した米を常温保管しておいて1年2年経って食おうとしたら、まずいまずいと大騒ぎになる。高くて美味い米を日ごろから食いつけると、古古米なんてまずのどをとおらない。
もうそろそろ餌と割り切って水ぶっかけてのどに押しこむ訓練をしておかないと、まずいんじゃないですか

「それか、高い美味い米を食いたいという需要はあるとして、味はひと並みでも反収のたかい品種を海外から導入するかです。少なくとも海外から肉も野菜も途絶しても、とりあえず米はあるよ、という状況はつくれるかもしれない。肥料が圧倒的に足らないからそれでも何年もは持たないだろうけど」

マスゴミがそういうふうに誘導してるんでほとんどの日本国民が信じ込んでいるけど、ウクライナはべつに海外から無償支援を受けまくっているわけじゃないんです。あそこは国内に原油・ガス・鉱物資源がいっぱいある。その採掘権を質にいれてカネと武器を手に入れている。かたや日本は売るものがない

戦国時代キリシタン大名は、侵略した地域の女子供を売って、火薬を手に入れていたわけです。あれがのちの「からゆきさん」の原型なんですね。禁教というのは、じつは武器弾薬の供給路を絶つ、秀吉なり家康なり天下人が独占する、という意味合いがあった」

「もうああいう時代じゃありません。食い物はなくなり米は奪い合い。そしてカネは紙くず。戦争に巻き込まれたら終わるんです。恐怖感が足らなすぎます」


30日の記録。

今日も昼弁当とコーヒー、焼きビーフンを準備します。焼きビーフンにつかうもやしは先日半額で買って冷凍しておいたものです。

冷凍したもやしは食感がよくないので好きではありませんが、贅沢を言える身分ではありません。節約節約。10月11月で9月に2回お出かけした散財ぶんを取り戻さねば……。