過去に「神社めぐり」に掲載するため作成した文章です。現在ではリンク切れとなっている箇所や、すでに情報が古い部分もありますが、再取材はせず当時のまま掲載します(注記:2024.08.03)
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(7)大雷神社(旧村社)福土
大木町大字福土字福間にある。祭神は雷神玉依姫命を祀る。永正三年(一五〇六)勧請した。(また寛文記によれば永正二年(一五〇五)津根田又左衛門が建立したとある)村社であったが、昭和二一年廃止された。例祭は一二月一二日である。
3912 村社 大雷神社 三潴郡大溝村大字福土字園田
3998 村社 大雷神社 三潴郡西牟田村字小次郎丸
福岡県神社誌には「大雷神社」という社号の神社は2社あります。
すでに旧三潴郡西牟田村の大雷神社は、2022年1月に訪問しました。今回は、旧三潴郡大溝村大字福土の大雷神社です。
西牟田の大雷神社は、玉依姫本人と、父の豊玉彦を八大龍王・八龍雷神・八雷神として祀る神社でしたから、おそらく同様なのだろうと見当をつけます。
鳥居をくぐると楼門が出迎えてくれます。
可愛らしい石製の狛犬さんと、左右矢大臣の組み合わせです。
参道脇の境内社です。
社殿正面向かって左脇にひときわ大きいお宮があります。
『福岡県神社誌』下巻,大日本神祇会福岡県支部,昭和20. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/1040147 (参照 2023-02-10)
境内社にとくに社号標などはなく、ここで福岡県神社誌を確認しても、境内社の記載はありません。その代わり、もともとこの字園田には天満宮があり、字八龍脇の大雷神社と大己貴社を移転・合併したとあります。
境内社と認識していたこの3社は、それぞれ元からここにあった天満宮と、引っ越すまえの大雷神社、大己貴社である可能性もあるわけです。
扁額は「八龍神宮」であり、大木町誌では雷神玉依姫命となっていますが、やはりメインは八大龍王・八龍雷神・八雷神と同一視された豊玉彦(思兼命でありヤタガラス、豊国主、豊日別命でもあります)とかんがえてよいでしょう。
彼が娘の玉依姫とともに祀られているのは、西牟田の大雷神社と同様です。
玉依姫の子が公式にはカムヤマトイワレヒコ(私は現王朝の祖ミマキイリビコによる背背乗りと主張してきました)ということで、豊玉彦は、父である塩土老翁(大幡主、博多のお櫛田さん、国常立命、神皇産霊神、天穂日)や義弟の大国主(大己貴)・異母弟の猿田彦(山幸彦、饒速日:にぎはやひ、彦火火出見尊、五十猛命、白日別)とまるで違う扱いを受けることになります。
注連縄のあるところをみると、御神木でしょうか。おもしろい姿をしています。
正しい系図の傍証がいまもしっかり残っていることのすごさを感じつつ、この場をあとにしました。
福岡県神社誌:下巻19頁
[社名(御祭神)]大雷神社(雷神、玉依姫命、大己貴神)
[社格]村社
[住所]三潴郡大溝村大字福土字園田
[由緒](略)
[境内社(御祭神)]記載なし。
[摂社(御祭神)]記載なし。
[末社(御祭神)]記載なし。
(2023.02.09訪問)
訪問当日の様子はこちらに掲載しています。