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正面の鳥居には「王子宮」と扁額がかかっています。玉垂宮神秘書では、玉垂命には9人の皇子(九躰皇子)が居て、うち神功皇后との子は3人とされています。
王子宮と扁額にあるからには、9人の皇子、またはその誰かひとりを祀っているのだろう……と社殿に近づいていくと、なんと社殿の扁額は「玉垂宮」です。
王子宮と言いながら、お父さんである高良玉垂命(開化天皇)を祀っています。
煙に巻かれた気分で、社殿全体を撮影してみました。立派なものです。
では本殿はどうかと横にまわってみると、女千木が乗っています。
もうこの時点でなにやらよくわかりません。
現地で再度、福岡県神社誌のPDFを確認します。
御祭神は斯礼賀志命(しれかし)となっています。九州王朝説に触れないかたにはわかりにくい神様ですが、玉垂命と神功皇后とのあいだに出来た仁徳天皇のことなのです。
社殿の正面向かって右手に、立派な若宮八幡宮があります。もし福岡県神社誌が正しければ、息子が社殿にも脇にも祀られていることになります。
となると、ここの玉垂宮は(ほんとうは)高良玉垂命と神功皇后を祀っており、脇に仁徳天皇の若宮八幡宮を従えていると考えたほうが、すっきりします。
若宮八幡宮の横にある天満宮、同じ境内でも離れた場所に鎮座する松尾社とお稲荷さんは、あとから加えられたものかもしれません。
境内からは、高良玉垂宮(高良大社)を遥拝することができます。
福岡県神社誌:中巻151頁
[社名(御祭神)]玉垂御子神社(斯礼賀志命、大山咋)
[社格]村社
[住所]久留米市野中町字宮園
[境内社(御祭神)]若宮八幡宮(仁徳天皇)、天満宮(菅原道真)、愛宕社(軻遇突智命)
[摂社(御祭神)]記載なし。
[末社(御祭神)]記載なし。
(2022.03.06訪問)