松村かえるの「かえるのねどこ」

旧「美風庵だより」です。

日本センチュリー交響楽団 第268回定期演奏会

 

第268回定期演奏会【発売中!】 | 日本センチュリー交響楽団

日本センチュリー交響楽団 第268回定期演奏会
日時:2022年10月14日(金)19:00開演 (18:00開場)
会場:ザ・シンフォニーホール
[出演] 
指揮:秋山和慶
ヴァイオリン:金川真弓
管弦楽:日本センチュリー交響楽団

[曲目]
プロコフィエフ:バレエ音楽「ロメオとジュリエット」組曲 作品64より
 第2組曲-モンターギュー家とキャピュレット家
 第2組曲-少女ジュリエット
 第2組曲-踊り
 第1組曲-ティボルトの死
 第2組曲-ジュリエットの墓の前のロメオ
プロコフィエフ:ヴァイオリン協奏曲 第2番 ト短調 作品63
プロコフィエフ:交響曲 第5番 変ロ長調 作品100

なお、演奏会開演前に、センチュリーユースオーケストラによるプロコフィエフ「五重奏曲」の抜粋(たぶん1楽章と5楽章)が演奏されました。

プロコフィエフはクラシックを聴きはじめたころはよく聴いていたのですが、どうも音楽家というより音「響」家という感じで、もっとふるい作曲家をよく聴くようになってからは、かなり遠のいていました。ブルックナーとかマーラーだと、うれしい・かなしい、といった空気に没入できるのですが、どうもプロコフィエフは少々ひねくれているというか、作曲家本人もまた第三者的で、ものごとを外から描写している感がつよいというか……。

今回の3曲、実演を聴くのはひさしぶりです。少なくとも2008年以降に聴いた演奏会はこの日記に感想を書いていますから、どれも約10年のひらきがあります。

 

1曲目、シェイクスピアの「ロメオとジュリエット」を題材に作曲した作家さんは複数おられるのですが、おそらくプロコフィエフのこの作品がいちばん有名でしょう。

それにしても「ロメオとジュリエット」の冒頭から素晴らしい。音が厚くなるとどこかもっさりとしてくるのですが、もっさり感がありません。いろんな楽器が別々に鳴る透明感と、音の融合した厚みが両立しています。センチュリーってすごい楽団だとあらためて感じますし、秋山さんが彼らの技術を信用して畳みかけ、間延び感がありません。

 

2曲目のヴァイオリン協奏曲も、秋山さんの指揮、センチュリーの伴奏に曇りがありません。ソリストの金川さんの音も非常に鮮明で聴きやすく、冒頭のほのぐらい雰囲気にも妙な重さは皆無です。

この曲、初演地はスペインのマドリードです(ほんとうはパリで初演予定だったらしい)。そのせいか終楽章、カスタネットをつかってスペイン風味を出してみても、やっぱりプロコフィエフらしいどこか陰鬱な表情は健在です。個人的にこの曲、このどこに向かっているかわからない空気や忙しなさが苦手だったのですが、その急かされ感ふくめて、当時のプロコフィエフ的にはこれが精いっぱいの愛想笑いだったんだろうなとおもえてきます。今日の演奏からは、明るさすら感じます。

この曲で、個人的にむかしからいちばん聴くのはオーマンディとフィラデルフィア管の録音です。必要以上にロシア物っぽさを強調していない点に魅力を感じます。

今日の秋山さんとセンチュリーも似たアプローチでした。金川さんの明瞭明確なヴァイオリンとあいまって聴きやすく感じたのは、そのせいもあるかもしれません。

 

最後の交響曲第5番はむかしから名盤とされる録音のおおい曲です。

秋山さんの指揮を音にするセンチュリーの楽団員さんの瞬発力はさすがで、明快でスマートな演奏になるかとおもいきや、後半になるほど驚くほど豪華な音がします。

「鳴らせ鳴らせもっと出せ」と煽られ疾走していくなかに、プロコフィエフのもつおふざけ感や文明(機械)信仰を感じます。戦時下の厳しさや生真面目さを強調するのではなくもっと素直なアプローチで、楽しく聴くことができました(意外なことにカラヤンっぽい)。

あまりプロコフィエフをじっくり聴く機会はありませんでしたが、たまには実演に触れるのもいいものだとおもいます。

 

ブラームス:交響曲 第1番

秋山和慶/ブラームス:交響曲 第1番

これだけの演奏ができているのだから、もうすでに何枚もあるブラームスの交響曲第1番だけでなく、センチュリーさんには秋山さんとプロコフィエフの収録を期待したいところです。

The Symphony Hall×関西4オケ スペシャルコンサート | 日本センチュリー交響楽団

ザ・シンフォニーホール開館40周年記念 Best of Orchestra
The Symphony Hall×関西4オケ スペシャルコンサート

次回は11月3日です。