松村かえるの「かえるのねどこ」

旧「美風庵だより」です。

弦楽三重奏の演奏会 Trio Rizzle

弦楽三重奏の演奏会 Trio Rizzle(トリオ・リズル) – ぶらあぼONLINEコンサート検索 | クラシック音楽情報ポータル

弦楽三重奏の演奏会 Trio Rizzle
日時:2022年8月22日(月)18:30
会場:日本福音ルーテル久留米教会
[出演] 
ヴァイオリン:毛利文香
ヴィオラ:田原綾子
チェロ:笹沼樹
[曲目]
ベートーヴェン:弦楽三重奏のためのセレナード ニ長調 op.8
ペンデレツキ:弦楽三重奏曲
フランセ:弦楽三重奏曲
ドホナーニ:弦楽三重奏曲 ハ長調 op.10「セレナード」
[アンコール]
ベートーヴェン:ピアノ曲「なくした小銭への怒り」を弦楽三重奏に編曲したもの(編曲者も臨席されていましたが名前が聞き取れませんでした)

《響の森》Vol.50「傑出のブラームス」 - 美風庵だより (hatenadiary.jp)

先日、上野の東京文化会館で演奏会を聴きました。面白いチェロ奏者のかただとおもったら、どうやら九州・久留米でも演奏会に出演されるそうで、行くことにしました。

中部フィルハーモニー交響楽団 第63回定期演奏会 秋山和慶のブラームス・ツィクルスⅣ - 美風庵だより (hatenadiary.jp)

この感想を書く前に自分の日記を検索してみると、ヴァイオリン奏者のかたも、いちどは聴いています。

しかも、演奏会と組んだ相手は違えど、同じブラームスの二重協奏曲のヴァイオリンとチェロのソリストでした。なかなか面白いことがあるとあらためて感じます。

どうやらほとんどがお知り合いのようで、(たぶん)教員のかたが名刺交換をされていたり、司会進行役のかたが近くの席のかたと話していたり、身内感があちこちに漂います(この企画を組んだのがトッパンホールらしいのですが、そこの担当さんが検査で陽性反応が出て同行できなかったとか……)。

ベートーヴェンの弦楽三重奏が終わると、後ろのお客さんがたから「あんなやわらかい音がでるんだねぇ」と感想が聞こえてきます。曲もさることながら、音色の違いを聴きわけて、感嘆するお客さんが背後にいるわけで、やばい、まさかど素人はおれくらいか?とあせります。吹奏楽の太鼓叩きからクラシックにはいってきたので、大編成・大音量大好きで、個々の楽器を繊細に聴き分ける訓練、まったくしてません。

岡本太郎じゃありませんが、芸術は爆発なのです<(`^´)>

ペンデレツキの弦楽三重奏曲は1991年の作品だそうで、いわゆる現代音楽なわけですが、じっと聴いているとそこにメロディもリズムも感じます。聴きにくい曲ではあるけれど、拒絶感がないのは、やはり演奏家の力量というべきでしょうか。トーンクラスターってこんなに聴きやすいものだったのかと、逆にびっくりしました。

個人的にいちばん気に入ったのは、ジャン・フランセの作品でした。

むかしジャン・フランセの室内楽曲を集めた録音を買いもとめて、聴いたことがあるため、曲の展開を知っていることもあってか、至極真面目に書かれた軽妙さ(おふざけ?)が、のびやかに伝わってきます。これは素晴らしい。

たぶん、ほかの曲もいろいろ聴き比べてきていれば、もっとこの3人のすごさがわかったのかもしれません。

最後のドホナーニは、じつに闊達なうごきに魅了されます。この作曲家のお孫さんが有名な指揮者 クリストフ・フォン・ドホナーニで、ほぼなにも知らなかったころ、頭のなかでごっちゃにしていました。

アンコールの前に、笹沼さんの「弦楽四重奏と違い弦楽三重奏は定型がないため、誰もが均等に忙しい」の発言があり、周囲から笑いがおきます。

この日、とくに後半の2曲、互いが互いの動きを目で確認する姿を興味深く眺めていました。ヴィオラの田原さんは汗が目に入るのかたいへんそうな感じでしたが、ほぼ大黒柱といってもよい活躍ぶりです。四重奏だとヴァイオリン2本、ヴィオラとチェロがそれぞれ1本で、どうしてもヴィオラは埋もれてしまいますが、真んなかの重要さがよくわかります。いや、齢50になってこんな感想でいいわけないんですけどね……。

すみません。