美風庵だより

幻の花 散りぬ一輪 冬日の中

北九州市小倉南区市丸 大清水神社


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1月31日、小倉に向かう途中、大清水神社を訪問しました。

福岡県神社誌では無格社となっており、こんな立派な社殿があるとは思ってもみませんでした。

鳥居の先にある遥拝所(舞殿?)が神社本体だと最初勘違いしていたのですが、裏手にまわると、立派な石段があります。それを登っていくと、ちょっとした郷社・県社クラスの社殿が建っています。

社地に対して、ギチギチに建物が押し込まれている印象をうけます。

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三階菱紋は小笠原藩を示すもので、おそらく小笠原藩による造営なのでしょう。ただ、社殿はアルミサッシを導入する等、ずいぶんと手が加えられており、大清水大明神という扁額が掲げられています。

社殿を横から見るとわかりますが、人工地盤の上に建っています。

つまり、移築されたもので、最初からこの地にはなかったということです。もしこの地に建てられていたのなら、社地の大きさに見合う社殿を建てるでしょう。

いくらなんでもオカルトじゃあるまいし、江戸時代にコンクリート製の人工地盤で水平をとったりはしません。

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背後は、住友大阪セメント(小倉鉱業)の採掘現場です。この日も始終、掘り出す重機の音が鳴りっぱなしでした。もしかすると、現在地よりも採掘現場寄りに存在したのかもしれません。

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石段下にある遥拝所(舞殿?)脇に、湧水があります。中央に、石の御神体で水神が祀られていました。遥拝所(舞殿?)のある社地には由緒が書かれた石碑があり、読むと、祭神を志那都比古神、志那斗弁神、弥都波能売神(=罔象女神:みずはのめ)としています。

シナツヒコ - Wikipedia

古事記』では、神産みにおいてイザナギイザナミの間に生まれた神であり、風の神であるとしている。『日本書紀』では神産みの第六の一書で、イザナミが朝霧を吹き払った息から級長戸辺命(しなとべのみこと)またの名を級長津彦命(しなつひこのみこと)という神が生まれ、これは風の神であると記述している。シナトベは、神社の祭神としては志那戸辨命、志那都比売神などとも書かれる。
日本書紀』のシナトベは女神とされることもあり、神社によってはシナツヒコの姉または妻とされている。

シナツヒコは天之忍穂耳の別名であり、市杵嶋姫命の最初の夫が天之忍穂耳という関係を考えれば、シナトベとは市杵嶋姫命のことだということがおぼろげに推測できます。

ここは七夕神社や香春神社と同様の性格を帯びている場所なのです。

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罔象女神スサノオの娘が天細女(あめのうずめ)で、正妻として天之忍穂耳とともに香春神社に祀られているのは、すでに触れたとおりです。ここでも、シナトベと名前をごまかすことで、愛人と正妻が混濁されているとみることができます。

平尾台の湧水源を祀る水神社としての役割と、別れさせられた二人を祀る神社の両方の性格を有しているのです。

福岡県神社誌:下巻452頁
[社名(御祭神)]大清水神社(志那都比古神、志那斗弁神、弥都波能売神、天照皇大神大山津見神
[社格]無格社
[住所]企救郡東谷村大字市丸字大清水
[境内社(御祭神)]記載なし。
(2021.01.31訪問)