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1月1日、高良大社にお参りしました。行きは登山となるため毎年臨時バスを利用するのですが、帰りは山を下りるだけなので、その年の気分で正面・北側・高良内側のどれかに向けて歩きます。2020年は、王子宮のほうに向けて歩いて下山しました。
王子宮に向かう途中にある妙見神社ですが、福岡県神社誌では高木神社とされています。このあたりのいきさつについては、現地の案内板がたいへん詳しく説明されているため、画像を掲載しておきます。
妙見菩薩を誰にあてはめるかというのが、おそらく問題となったのでしょう。ここでは、高皇産霊神と同一とし、高木神社として神社登録を行うという手段に出ています。
妙見菩薩を造化三神(高皇産霊神、神皇産霊神、天之御中主)に充てるというのは、廃仏毀釈の時代、どこでも行われたことなのですが、高皇産霊神を選ぶところが、自らの存在をつねに隠し通してきた高良玉垂宮らしいところです。神皇産霊神(大幡主)や天之御中主(大幡主の姉)では、まずかったのでしょう。
または、高良山を支配していた高皇産霊神(高木大神)との闘争も考慮しておく必要があります。力関係の暗示としても機能していたかもしれません。
ただ、さすがに勢力争いと無縁な地元の信仰者は、さすがにこの動きをみとめなかったようで、妙見神社の鳥居を奉納しています。地元の皆さんにしてみれば、過去はともかく御利益があるかどうかが重要だったのでしょう。
ここには、高良大社本社ですらひた隠しにしている剣花菱紋が御神紋として堂々と使われています。過去の姿をとどめている、価値のある神社といえます。
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[福岡県神社誌(抄)]下巻421頁
[社名(御祭神)]高木社(高皇産霊神)
[社格]無格社
[住所]三井郡山川村大字山川字王子山
[境内社(御祭神)]記載なし。
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(2020.01.01訪問)