松村かえるの「かえるのねどこ」

旧「美風庵だより」です。

「無伴奏ヴァイオリンの演奏会」

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無伴奏ヴァイオリンの演奏会

日時:2023年9月24日(日)14:00開演(開場13:30)

会場:日本福音ルーテル久留米教会 礼拝堂

[出演]
ヴァイオリン:毛利文香

[曲目]
バッハ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第1番
イザイ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第3番
(休憩)
細川俊夫:エクスタシス
バルトーク:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ
[ソリストのアンコール]
バッハ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第3番から「Largo」

弦楽三重奏の演奏会 Trio Rizzle - 松村かえるの「かえるのねどこ」

2022年8月以来、1年ぶりにルーテル久留米教会にやってきました。

過去に訪問した場所なので間違いはないはずですが、1年ぶりなのは不安です。

いつもより早めに甘木を出て、西鉄久留米駅から六ツ門まで歩きます。

いちど会場に向かい、記憶が間違っていないのを確認してから、シティプラザで休憩して、開場まで時間をつぶします。

今回は「無伴奏ヴァイオリンの演奏会」なので、ヴァイオリン一本です。

聴いていていちばん感動したのはバルトークでした。

この曲、しょうじきこれまで頭がついていかない曲だとおもっていました。弾くのも難しければ、聴くほうも難しい曲です。バルトーク晩年の作品ながら、初期バルトークの緊張感に慣れていないと、なかなかわかりません。

冒頭の1曲目にバッハの無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第1番を置くことで、バルトークが何に挑んだか、よくわかるようになっています。緊張感も素晴らしいものです。

バルトークだけではありません。

前半のバッハとイザイも、緊張感と情熱にあふれています。黙って座っていれば、ぐっとヴァイオリンの世界に引き込まれていき、終われば自然に拍手をしてしまいます。

細川さんのエクスタシスは「いろんなものをそぎ落としたら、哀しい・苦しいと叫ぶ作品が出来た」という感じでしょうか。リズムやメロディーといったお約束から抜けて出て、客席に感情を投げ込む、まさに現代音楽のスタイルです。

今日の演奏は、ビックリするほど「これも後期ロマン派の延長なんです。意味を感じて欲しい」という演奏家の主張が感じられます。ほんらい、メロディーとかリズムとか、客に理解させるための手続きを廃し、作曲家が感情を演奏家を媒介(シャーマン)として客席に放り込むスタイルの曲です。今日は、演奏者の演技力が素晴らしく、どう聴かせたいか、とっつきにくさを覆い隠しています。しっかり感激してしまいました。

演奏が良いと、こういう曲も充分エンターテイメントになり得るんですね。勉強になりました。

「知らん曲の感想はようわからん」と言われることがおおいため、本日演奏された曲のうち、本日の演奏者さんのものではありませんが、youtubeで見つけることができた動画を貼っておきます。

BWV 1001 - Sonata No.1 for Solo Violin (Scrolling) - YouTube

Eugène Ysaÿe - Op.27 6 Sonatas for Solo Violin (1923-4) (Complete, w/Posthumous Sonata and analysis) - YouTube 

Béla Bartók - Sonata for Solo Violin, Sz. 117 - YouTube