美風庵だより

幻の花散りぬ一輪冬日の中

久留米市大橋町 箱崎八幡神社(2・終)

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到着してまず驚くことに、ピカピカの社殿です。

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平成30年、つまり昨年に新築されています。以前、地元の天満宮の改築にいくらかかるかを調べるため、基山にある某神社を視察したとき「4,000万」と言われて役員一同「???」と暗然たる顔をして帰路についたのですが、それよりも立派です……。この地域にふかく信仰が根付いているのでしょう。

主祭神応神天皇であり、相殿が仁徳天皇、玉垂命、住吉大明神とされています。

筥崎宮の御祭神は応神天皇で、相殿が神功皇后玉依姫ですから、じつは一致していません。つまり玉垂命とその孫である仁徳天皇、そして玉垂宮由来の住吉三神を祀る神社だったものが、どこかの時点で八幡宮として塗りつぶされたとみるのが、正解のようです。

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新しい社殿に立派な注連縄で、うらやましいかぎりです。拝殿のなかの幕は菊紋ですが、さすがにそれは違う気がします。裏手にまわって神紋がないか屋根を眺めると、三つ巴紋が掲げられており、やはりもう痕跡はどこにもないのか……とあきらめかけていたころ、

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社殿の横にむかしの瓦からとったとおぼしき木瓜紋が並んでいます。1858年の前回の造営のときは、おそらく本当の御祭神が誰だったのか、住民の記憶に残っていたのでしょう。木瓜紋は、玉垂命の神紋です。

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敢えて「箱崎八幡宮」を名乗る理由は、八幡宮というだけでなく、勧請元の筥崎宮を明示する必要があったのでしょう。それだけ、御祭神隠しの圧力があったと思われます。

境内には、えびす様の石像と、猿田彦の石碑が並んでお祀りされています。その先に、秋葉社とある祠がふたつ並んでおり、その左手には大日如来のお堂がありました。大きいほうの秋葉社には天満宮という文字も刻まれており、もしかすると菅公もあわせてお祀りしているのかもしれません。

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八幡宮の裏手に、片淵神社があります。googleマップでは荒霊宮とあり、このふたつは同じもののようです。

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ミヅハノメ(弥都波能売神)は水神さまとして有名な神様です。もうひとりの荒霊大明神とは?と案内板を眺めます。

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智僧二年(566年)蜷川村発祥の頃、氏神として初めて片淵に勧請す。
初め、荒五郎大明神と崇め、荒霊宮と称したが、明治に至り、片淵神社と改称し、大正元年に現在所に移る。
祭神は千歳川(筑後川)氾濫の元となる荒魂なり。
御神徳は能く水災を除き田畑の豊稔を司る農業神として尊崇さる。
尚、祭神には水難と共に火災を防ぐ霊力あるため、古来、子供の守護と火災の除災招福の神として厚き信仰あり。
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どうやらこの地域を統治した神様のようです。玉垂宮を上書きした八幡宮の存在といい、もう少し詳しく調べる必要がありそうです。