松村かえるの「かえるのねどこ」

旧「美風庵だより」です。

高野山大師堂「しきみ高野霊香」

画像左手が「樒(しきみ)高野霊香」です。

高野山大師堂 しきみ線香 樒高野霊香 5寸 大箱

しきみ高野霊香 5寸(13cm) - 香老舗 高野山大師堂

樒は古来より『悪霊から護る』『邪気を払う力がある』とされ、仏事において重用されてきました。
樒には独特の強い香りがあり、樹皮や葉を乾燥して粉末にしたものは抹香として広く使われていたため「抹香の香り」として知られていました。
しかし、近年では抹香の原料として樒ではなく他の原料を使用したものが主流となり樒の香りにふれる機会は少なくなってきました。
このお線香はその特有の香りを再現すべく、樒の樹皮と葉を使用して天然原料のみで調製いたしました。

スーパーの生花コーナーや町の生花店に行くと、お榊と並べて仏さまのお供えに「樒(しきみ)」が置いてあったりします。植物そのものに毒があるため水が腐りにくく、暑い時期は、切花延命剤たっぷりの水を榊立てにいれ、しれっとお榊の代わりにお供えしたりしていました。

「しきみ」に鼻をちかづけると、独特の香りがします。鋏で榊立てや花瓶に丈が合うよう茎をカットすると、茎の切り口からでてくる香りは、鮮烈です。

部屋中にほんのり優しく、香りがひろがります。さすがに切りたての切り口から香る鮮烈さはありません。説明書では、樹皮と葉を乾燥させた粉末を練りこんでいるとのこと。乾燥させるあいだに、香気の成分が一部蒸発するのかもしれませんね。

それでも、