松村かえるの「かえるのねどこ」

旧「美風庵だより」です。

薫主堂「梅が香」

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梅ヶ香(うめがこう) - 株式会社薫主堂

完全手作りの今ではどこでも作っていない全く昔ながらの練香です。
梅肉・梅酢・沈香・白檀・生薬で練り上げた完全な和の香りです。
茶道には欠かせないお香です。

「完全手作りの今ではどこでも作っていない」という惹句にひかれ購入しました。

いまから20年ほど前、香などに興味をもっていた時期があります。

練香について、志野流蜂谷家の家元が書いた文章に「梅の塩漬けと蜜を練って結着材とし、そこに香料と炭粉を加え、梅酢で伸ばしながら丸め、蜜を掛けてから熟成」といった内容の記述があり、茶席で見かけるあの黒い丸薬(っぽいもの)は梅干しと香料を練り合わせたものかと驚いたことがあります。

練香は各社からさまざまな商品が出ています。現在、お茶席で使われることがほとんどということもあってか、「~家元御好」の製品がよく見受けられます。すこしずつ手を加えているのはわかりますが、やはり香りに飽きがこないのはむかしながらのものです。いろいろと試行錯誤した結果、生き残った伝統の配合は、これからの時代にも生き残りうる、そんな気がしています。

とりあえず1粒だけまず試してみましたが、線香にはないふくよかな香りです。寝かせておけば、またさらにまろやかな香りになると思われたので、残りは保存しておくことにしました。半年、1年後にどうなっているか、楽しみです。